ある看護学生の療養
麻比奈こごめ
概要
あまり具体的なことは書きませんが、まずは私の概要をまとめておきます。
ある大学の看護系の学部に所属している学生です。
大学、というのがミソだと思います。
私自身は実の所あまり人付き合いも得意ではなく、内向も内向、人に親切にしようという気はあるものの人の心を読み取る事がとても苦手という性格です。
故に、はっきり言って看護をすることが向いているとは、入学時既に思えていなかったのです。
では何故看護学を選んだかというと、それは私がずっと考えてきている、「人間とは何か」を理解することにおいて、看護学というのは良い切り口なのではないかと考えたからです。
人間とは何か、を理解せずに、良い看護は成り立たないはずです。看護学は生物としてのヒトと、知的な存在である人間という両側面から人間という対象を扱う学問です。両側面から適切なアプローチをすることで、人間の持つ本来の生命力(肉体的にも精神的にも)を引き出す事を目指す看護学は、私にとっては興味深い学問でした。
なので、学問としてそれを学び、自分でも実践しつつ深めていきたいというのが、私がわざわざ看護の大学を選んだ理由となります。専門学校では、おそらく学問としての看護に触れる機会が少ないのではないかと考えたのです。
そうして学業をこなしてきましたが、恐らく大学に入る以前から積もり積もってきた精神的疲れがここにきてどっと溢れてきたような感じがします。
精神科に通院する事を学校の先生にも勧められ、やはりどうやら調子が良くないようなので、しばらく休みを取ることが決まりました。
少し看護から頭を離して休養を取るのが私の今するべき唯一の課題です。
これはその記録とするつもりです。
毎日何をして何を感じたか、感想を少しずつ書き残していきます。
ずっと自分のケアをするという事を恐れてきたため、書くということをして冷静に自分を見なければ、恐らくまたケアをサボってしまうのです。
私が私自身に行う看護の記録とも言えるかもしれません。
そんな事を言っていてはいつまで経っても看護から頭が離せなさそうではありますが、そんな所で。
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