第15話 山の上で見れる「高み」を目指して

山登りの失敗エピソードの話は

その目的の無さが故に、何の結果も出せていなかったし

高い金払って観光しただけに終わったのは事実なのだから


それは真摯に受け止めている、つもりだ。


あの時、なぜ山を登ろうと思ったのか。

いいえて山行愛好家に会うことが目的だったのかもしれない。


今残ってる人脈には誰もそんな人はいないが…。


わざわざ高い金払って山に狂った理由がどこにあったのか。

強いて言えば山神様に会いに行ったとか。


私の魂レベルで、本気で求めてたんだろうか??

「見えない存在」が私に「高みに来い」と???


過去の私と、過去を俯瞰している今の私は別人なんだろう。


当時はスピリチュアルに関心がなかったので

「気持ち的な問題」という感じで済ませるだけだった。


しかし滅多に見ない自然を見ることができたというのは

コンクリートに囲まれて普段過ごす自分にとって

あまりにも幻想的な光景だった。


道具屋の山行講義は授業料が高いので

河口湖、青梅の方の散歩道を歩く、といった形で

経験値を積もう、といった具合にやっていきました。


いわゆる低山トレーニング。


雨ガッパ使うために雨の日に登ろうとしたり、

コンパスや地図を読む練習をして、進行方向を決めたり。


かろうじてコンパスの使い方はわかるかもしれないが

地図の読み方はやっぱりどうにも定着しなかった。


普段読まないので、土日祝日しか読まないものを

すんなり解読できるわけない、そこに難しさがある。


進行方向がわからないでは遭難は必至なので

地図を読むのは大事なことである。


ここで山登りのハードルの高さを思い知るべきだったが

この時点ではまだ諦めることはなかった。


なぜなら山登りに快楽を感じていたからだ。


普段の平日でフラストレーションが溜まる一方なんだ、

どんな形であれ夢を見させてもらうのが一番だろう、


たとえどんなに「叶わぬ夢」だったとしてもー。

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