第32話 昨日の敵は?

「……………………無事、会えたようだな?」


「……………………そうね…………って、まさか!」


「……………………ぇ………………あっ?」


水族館入口を見下ろせるテラスから、何故か手を繋いだままで、抱きしめ合う二人を見つめる私達。


驚きの余り、繋がれた私達の手を見つめたあと、ふと顔を上げると、『正雄』と目が合った。

今度は、視線をぶつけ合う事もなく、見つめ合うことが出来た。


「お前、まさか………………………………」

「あんた、まさか……………………………」


見つめ合ったまま、声が重なる。


「『ラーちゃん』か?」

「『まおー』なの?」


握り合う、手の力が、より強くなる。


「お願いしたい事があるんだが?」


「私も、お願いしたい事が有るわ。」


チャラ男、改め正雄、改め『まおー』が、真剣な眼差しで問い掛けてくる。

私も、真剣に、返す。


「……………………俺が先でいいか?」


「っ、駄目よ、私が先よ!」


「……………………男から先に、言うべき事なんだが?」


「……………………私も、譲れないわ!」


「……………………仕方ないな、同時に言うか?」


「……………………良いわよ!」


視線を交わしたまま、手を繋いだまま、何故かまおーに抱き寄せられて、額を合わせて、唇を合わせられてから、


「俺と、結婚してく…………………………」

「私と、結婚をぜんて………………………」



※※※※※※※※※※



「……………………無事、会えたようだな?」


「……………………そうね…………って、まさか!」


「……………………ぇ………………あっ!」


水族館入口を見下ろせるテラスから、何故か手を繋いだままで、抱きしめ合う二人を見つめる俺達。


驚きの余り、繋がれた俺達の手を見つめたあと、ふと顔を上げると、『結良』と目が合った。

今度は、視線をぶつけ合う事もなく、見つめ合うことが出来た。


「お前、まさか………………………………」

「あんた、まさか……………………………」


見つめ合ったまま、声が重なる。


「『ラーちゃん』か?」

「『まおー』なの?」


握り合う、手の力が、より強くなる。


「お願いしたい事があるんだが?」


「私も、お願いしたい事が有るわ。」


俺は、真剣に、結良に問い掛ける。

ビッチ、改め結良、改め『ラーちゃん』が、真剣な眼差しで、答える。


「……………………俺が先でいいか?」


「っ、駄目よ、私が先よ!」


「……………………男から先に、言うべき事なんだが?」


「……………………私も、譲れないわ!」


「……………………仕方ないな、同時に言うか?」


「……………………良いわよ!」


視線を交わしたまま、手を繋いだまま、ラーちゃんを抱き寄せて額を合わせて、軽く唇を合わせてから、


「俺と、結婚してく…………………………」

「私と、結婚をぜんて………………………」







作者より


今日は、もう一話投稿します

お見逃しなく!

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