第2話

その時、僕はドキッとした。僕より背が高く、スイートポテトを買いに来るとは思えないクールな顔立ち。男の僕でも見とれてしまう。そして迫力のある顔が今は子犬のような申し訳無さそうな顔をしている。正直ギャップ萌えだ。

(こんなイケメンに負けるわけにはいかない。)

「でも、僕も朝早くから並んでたし、、、。」

「そこをなんとか!お願いします!」

すると、前の男は僕の手を掴んで、目をうるうるさせながら顔を覗き込んでくる。

(顔近すぎんだろ。このイケメンが!掴むな手を!)

結局、

「くっ!しょうがないな。良いよ、買ってっても。」

「ありがとうございます!助かりました。」

と満面の笑みを浮かべる。そして、そのイケメンは、去っていった。

(まぁ、僕好みのイケメンの笑顔が見れたからいいか。)

その後、店員さんが気を利かせてくれて焼き芋を少し安い値段で売ってくれた。まぁ、これもこれでありか。と家路を急いだ。


この時の僕は、思いもしなかった。また、このイケメンに会えるなんて。それも、甘い香りと一緒に。

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