さつまいもの季節

@genkun37

第1話

彼と初めてあった日。僕は、一日限定10食のスイートポテトを買うために早起きして、列に並んでいた。あと少し、もう少し。先頭に近づくにつれ、僕の気持ちは、高鳴る。そして、前の人が買い終わり、スイートポテトは残り1つとなった。

(よっしゃ~!一つ残ってる!)

僕が財布を出そうとしたその時だった。

「すみません。やっぱりもう一つもらってもいいですか?」

(げっ。)

「駄目でしょうか?」

(何こいつ。さっさと帰れよ。)

「買ってもらう側としては、嬉しい申し出なんですが、後ろにいらっしゃるお客様次第ですかね。」

それと同時に前の男が振り返る。

「あの、譲ってはいただけないでしょうか?」


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