甘甘冷冷

あしはらあだこ

第1話

 なんだかあつい

 ままに熱をはかってもらった

(あら。今日は保育園いけないわね)

 え?ほんと?やった~!!!

 これで、アイスクリームをかってもらえるよね!

 だって、おともだちのレイちゃんは、お熱がでたときは、アイスでなおすって

いってたもん


 え?どうして?アイスだめ?

 おなかこわすから?

 でも、お熱があるんだよ?

 こおりまくらで、じゅうぶん?

 なあ~んだ・・・アイスなしかあ~


 レイちゃんうそついたのかな?

 それとも、わたしだけかな?

 食べられないとおもうと、よけいに食べたい

 だって、お熱だよ、しんじゃうよ。


(この程度の熱では死んだりしません!)

 お医者さんに行って、おくすりもらった

 お医者さんも、(おくすりのかわりに、アイスをたべさせなさい)

 って言ってくれてもいいのにな


 お夕はんは、おかゆさん

 ふわふわ玉子がはいっていて、よはまんぞくじゃ

(満足したなら、もうねなさい)

 は~い。でも、こんどのお熱はアイスだよ

(今度なんてありません!!!)


 やっぱり、お熱だからかな?

 いつもより、はやいけど、もうねむい

 うとうとしていると、ヘンなすがたの、いきものを見た

 でも、なんかこわくない。すがたは、ヘンでも、やさしい子だな、とおもった

 そのヘンな子はいった

(自分を必要とするなら、今日見たことを、皆に伝えなさい)

(さすれば、おまえの願いはかない、皆も喜ぶだろう)


 え?なに、いまの?

 と思ったら、あさだった。

 けさも、お熱をはかる

 ままが、こまったかおをしている

 きのうと、おなじように熱いけど・・・

 ままが、あわてて、ぱぱをよぶ

 ぱぱのクルマにのってびょういんにいくといっている

 わたし、しんじゃうの?


 きゅうきゅうのせんせいに、みてもらうんだって

 アイスのこと、せんせいにおねがいしようかな

 と、おもっていたのに、なぜかゆめでみたヘンな子のはなしをした


 え?なんで?

 きょうは、びょういんに、おとまり?

 アイスは?

(アイスは、退院したらあげるからね)

 えぇ~?そしたら、1日でたいいんしなきゃ!!!


 おへやは、わたしひとりだった

 もしかしたら、お熱がでたとき、アイスでなおすか、ほかの子にも、きいてみたかったな

 テレビは、少しだけと、かんごしさんとおやくそくしてみせてもらった

 そしたら、ゆめでみた、ヘンな子がでていた

 ビックリして、あわててかんごしさんを、よんだよ

 ほんとに、みたんだよ

 いっしょうけんめい、はなしたのに、かんごしさん、しんじてない!!!

 テレビはもうおしまい

 ねる前にも、おくすりをのんで、でんきけされちゃった


 でも、つぎのひ、お熱はなくなっていた

 きゅうに、たいいんすることになった

 やった!これで、アイスだ!

(まあ、約束したしね。なにがいい?)


 おうちで、あまあまのひえひえを、だいじにたべた

(ねえ?昨日、言っていた変な子って、これのこと?)

 といって、ままが、みせてくれたのは、アマビエというようかいの絵だった

 え?どうしてわかったの?

 やっぱり、お熱のときは、あまあまのひえひえ、だよね!!!

                        

                              おしまい





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

甘甘冷冷 あしはらあだこ @ashiharaadako

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ