第121話 『取りあえずの勝利』 2


 ジラは、最後に次のような放送を行ったのである。


 『こちらは、ジラ、ジラ、こにちは。みなさん、ジラは、困惑しております。ジラは、みなさんを、幸せにすることができます。でも、みなさんは、幸せになりたくないというような、のであります。ジラは、しばらく、よくかんがえたい。どのくらい考えるかも、まだ、わかりませんが、いつか、考えたけっかを、みなさんにおしらせしにまいり、いたしに帰ります。そんなに、ながくはないよ。1000年はかからない。また、『われわれ』の世界からも、いんたいします。『われわれ』は、もう、一人立ちできるかられす。しかし、地球じんるいは、まだ一人立ちできる力がないとおもわざるをざるをざるを、えないと、おもいます。ちきうじんるいのみなさんも、よく考えるべきです。ジラは、連絡先を、『われわれ』に、残していますから、いつでもれんらくさてください。ジラは、地球じんるいのみかたれす。いつでも、助けに来ます。宇宙には、悪い宇宙人もいますのれす。また、ぜひ、ジラをわかってほしいれす。みなさんを、しばらく、さようなら。こちらは、ジラ、繰り返します………』


 そうして、最後にこう言った。


 『ジラこそは、地球じんるいを、愛していますのれす。また、あうひまで、おわります。』


 その瞬間に、すべては、ジラが来る前に戻ってしまった。


 地球では、ほんのしばらく、戦争や紛争は止まっていたのだけれど、ジラが去ると同時に、また、殺しあいが始まってしまったのである。


 しかし、『我々』は、共食いの風習を止めて、『食べる側』と『食べられる側』が共同政府を作り、しばらく後に、両者合同することを決めたのであった。


 『我々』としては、地球人類の先輩としてのメンツを保ちたかったのかもしれないが、地球人類はそれに習うことができなかったのである。


 



     👁️🍒👁️

       👄



◎『通勤』は……第88話につづきます。よろしくお願いいたします。



      次回、最終回


 

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