『ジラ! 異世界からの略奪』

やましん(テンパー)

第1話 『ジラ あらわる』 その1


 『このおはなしは、フィクションです。別項の『ジラ! 執行ワールド』とは、微妙な関係に、あります。』



     👸



 大学生なんて、気楽なもんだ。


 なんて、言ってられるのは今のうちだ。


 もうすぐ、みな、地獄の就職戦線に投入されるのだから。


 あきらかに、おかしな話なのだ。


 大学とは、企業の二軍か?


 学生は、予備役か?


 もっとも、ぼくは、自宅企業に就職しなければならない身の上である。


 ある意味、お気楽組であった。


 しばらく、他所の飯を食ってこい、なんてことは、もはや、言ってはいられない。


 圧倒的な人手不足である。


 我が家は、遺跡発掘専門の小さな土木会社である。


 おかげさまで、経営にタッチしながらの学生生活であるが、講義に出るよりは、穴を掘っている方が多いのは、致し方無いわけだ。


 非常に忙しいので、遊んではいられない訳だ。充実しきった毎日である。


 それでも、学生の本分は、勉学であるべきなのだが。


 まあ、零細企業だからね。


 しかし、まりこさんは違う。


 彼女は、巨大建設企業の、超お嬢様である。


 しかも、ぼくとは、出来が違う。


 オール『優』があたりまえ。


 半期に一度の、学年全体トータル学力試験でも、常に一番。


 なんで、あんなのが、ぼくの、ご学友なのかは、いささかは、謎である。


 たしかに、両親たちは、幼馴染みらしい。


 早い話し、我が家は、昔から、まりこさん一族の、付属物であった。


 つまり、我が家は、そもそも、ちょうちんあんこうの雄みたいなものなのである。



 

   🐟🐬🐲🐡🐠🐙🐌🐳


 

 

 

 

 


 

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