#2【/intruder】

「馬鹿な!!!!あの成れの果てが何処かへ消えてしまっただと!!??そんなはずがあるか!!!!とっとと探せ!!!!」

 鼓膜を突き破るほどの怒声で王国は目をこすり起きた。ここは王国の最深部。城の何処かにある会議室。あらゆる能をもつ幹部・大臣が集まり、国王へ議会の報告を行う。これは、今朝の定例会が始まった直後の怒声であった。

「ミーラン、少しは落ち着け。どうせ奴はテリトリーを散歩しているだけだ。つまりは、廃都に近づかなければいいだけだ。それに私たち以外に奴へ対抗できる者はいないはずだ。アリトロモルスの連中はヴァロが関与した場所にはいないはずだ。ヴァロ狂いのあいつらなら荒らすようなことはしないだろう。それなら廃都はなにも変わらない。そうだろう。」

 ランドルフに同意と共に称賛の声が上がる。ただ、ミーランは少しの不安を抱えていた。ランドルフの意見には100%賛成できる説得力と根拠があった。それなのに一抹の不安を感じた。自分の直感を信じるランドルフは反対意見を出そうとするその息を止める。息を吐いたときにはもう別の議題へ移っていた。

「では、魔女に対しての――」

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