男女比1:100の世界で男子校に入学したんだが、周りに男装女子しかいない。
猫丸
プロローグ
日差しが目に入り、重たい瞼を開く。
はあ。これから、学校と考えたらため息が出てきた。
行きたくねぇ。
「……ん?」
知らない天井だ。
なんだ、まだ夢か。
俺は再び瞼を下ろす。
「いや、夢の中ですら寝るってどういうことだよ」
おかしいと思い、瞼は下ろせずに上半身を起こした。
辺りを見渡す。
ベッドも違えば机も棚もいろいろ違う。つか、着ている服すら変わっている。
え、まじでここどこ?
心臓が激しく暴れ始める。
嫌な想像をしてしまう。
もしかして、誘拐されたのでは?
でもそれにしては静かすぎる。家から物音が全くしない。
誰もいないのか、寝ているのか。
だったら、今逃げるしかない。
俺はベッドから降り、立ち上がる。
「あ、これ夢だ」
俺の口からそれだけ漏れて、再びベッドにダイブした。
立ち上がったら姿見があったんだが、そこに写った俺が現実とは違ってイケメンだったんだよ。
んじゃ、目が覚めるまでゆっくりしようかな。
俺は夢の中でゆっくりと目を閉ざした。
◇◆◇◆◇◆
「おかしい」
いつまで経っても夢が覚めない。
もう三時間経ったぞ。
え、まさか……。いやいや、そんなことあるはずないだろ。
俺の脳裏に一つの考えが浮かび上がる。
もしかしたら、ここは夢じゃないかもしれない。
俺はとりあえず情報収集をすることにした。
一時間もすればある程度の情報が集まった。
この体の持ち主の名前は、
んで、最も重要な情報なんだが、ここは男女比1:100の世界らしい。
そして、ありきたりなんだけど、この世界の男性は女性恐怖症のようだ。
対して、女性は常時男性に飢えていて、男性を見るとほとんどの女性は獣になるらしい。つか、それが女性恐怖症の原因らしい。
家族も例外ではなく、ほとんどの男性は一人暮らし。その上、引きこもり。
お金は月一の精液提供でかなり稼げるみたい。
家から物音がしないと思ったら、一人暮らしだからか。
他にも、変わっていたところもあるが大事なのはこれぐらいだ。
「まるでラノベだなー」
いや、どちらかと言うと薄い本か。
こういうとき、主人公なら積極的に女性と関わって行くもの。
普通の男からしたら俺の立場は羨ましいんだろうな。
でも俺、女性苦手なんだよな。
中学のとき女子に虐められていたから。
話せないことはないけど、触られるってなったら無理。元の世界だったらわざわざ俺に触れる女子なんていなかったから大丈夫だった。
だけど、この世界では触られるだけで済むはずがない。
うん、生きていける自信がない。元の世界に帰せ。
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