いけいけ勇者様32

最上司叉

第1話

そして翌日から本当にドラゴンの女の過酷な修行が始まった。


「おい、もうちょっと加減してくれ!俺は怪我人だぞ」


「おぉそうであったのう、ついうっかり忘れていてのう」


「…嘘だろ?」


「ほっほっほっ、なに気にするでない」


「!!」


とそこへ女が怒りながら駆け寄ってきた。


「何してるんですかー!!あれほど安静にと言ったじゃないですか!」


「ほっほっほっ」


「笑い事じゃありません!!」


「心配かけてすまない、だが怪我は酷いんだが痛くはないんだ」


「そんなはずないじゃないですか!!」


「いや本当なんだ」


「?」


女は訳が分からない顔をしている。


とそこへ魔法使いがやってきた。


「うるさいな!朝からなに騒いでるのさ!」


「ごめんなさい、だって勇者様が安静にしててくれないから」


「あぁ、そういうこと」


「?」


「痛くはないはずだよ」


「あぁ、不思議とそうなんだ」


「凄く特別な薬使ったんだから感謝してよね」


「それであの金額か」


「当たり前でしょ!次いつ素材が手に入るか分からないんだからさ」


「そんな貴重な薬だったのか、すまない」


「貸しだからね」


「あぁ」


「どれ、修行を再開するとしようかの」


「あぁ」


「本当に大丈夫なんですか?」


「大丈夫だ」


「分かりました、もう何も言いません」


「ありがとう」


女は少し涙ぐみながら家に戻って行った。


今日の修行が終わり汗を流したあと怪我の包帯を変えようとして俺は驚いた。


あんなに魔物の爪がくい込んでいた怪我がもう治りかけていたからだ。


どんな怪我もすぐに治す薬草があると噂には聞いたことがあったがまさか実際目の当たりにするとは思わなかった。


「これなら明日からまた魔物退治ができそうだな」


「気が早いヤツじゃのう」


「だから気配を殺して近づくなと何回言えばわかる?」


「まだまだじゃの」


俺は痛いところをつかれ黙り込む。


「今度はいくらの賞金首をかるのじゃ?」


「とりあえず今受けてる300万の賞金首退治しないとな」


「そうじゃの」


「それが終わったら上を目指すさ」


「いい心がけじゃのう」


「あぁ」


そして翌日俺は魔物退治に向かい無事に退治を終えた。

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