父は今を生きている

@chihiro_aruru

それは一通のラインから始まった

「おはよう。実はお父さんのESでのドッグの結果で肺と胃の精密検査をうけるようにと通知がきて、一昨日、医療センターへ行ったところ、肺に腫瘍が認められ、26日に二泊三日で検査入院することになりました。肺がんが疑われるとのことです。あまり心配をかけたくないし、そっとしておきたいけど千尋や兄達には報告しておきますね。」(原文)


2022年4月14日。

午前8時31分。

過去で一番最悪な朝となったこの日。

よく使われる表現としてはXデーと呼ばれるアレである。

方言を使って言うとホンマに最悪じゃ。


ちなみに千尋とは私のことで、3兄弟の末っ子長女。

1児の母でもあり4歳児の子育て真っ最中。

だけど母になっても親の前ではいつまでも子ども。


刻一刻と自分が子どもでなくなる時期は確実に近付いてきている。

それは病気でもなく事故でもなく、寿命ある限り誰しもが訪れる時。


不老不死でもない限り、親と子の「その時」がいつかは来るってのは理解しているけれど、どうしても辛い、悲しい、想像したくない。

そんなリアルがこれから、しかももうすぐ訪れることを宣告された父の余命一ヶ月。


その事実を知らない父は「あと2年は頑張る!」


何が正解なのかわからないまま父と笑って過ごす今日。

今日まで本当に駆け足だったなぁ…。

あっという間にここまで来てしまった。


「緩和治療だけは言われたくない。」と泣いていた母を思い出す。

あの言葉が今まさに現実となっているのだから。







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