僕にかけられた呪い

色彩

呪い






夢を、見ていた。

1人の少年と1人の少女が走っている夢。








『京ちゃん、ちょっと待ってよ〜』


『もう、翔太は情けないなぁ。男の子でしょ?もうちょっと頑張って。』








少女は、優しくて、可愛くて、面倒を見てくれる素敵な子。それに対し、少年は、根性なしで、見た目も普通で、自分のことで精一杯などうしょうもない子だった。







こうして、客観的に見れば、未来のことなんてよく分かったはずなのに、バカで幼い少年にはそれができなかった。






だから、少年は、ずっと信じて疑わなかった。






『はぁはぁはぁ...やっと追いついた。』


『もう、私が待ってあげただけでしょ?』







少女は自分のことを絶対待ってくれると...








『捕まえた。もう離さないから。こうしないと、京ちゃん先に行っちゃうからね。』


『ふふふ。翔太の手、あったかい。』








自分が手を伸ばせば、いつでも届く距離に少女がいると...








『ねえ、翔太。』


『なぁに?京ちゃん。』







自分と少女が、








『私たち、ずっと一緒にいようね!』


『うん!』








一生一緒にいられると....







そんなはずはないのに、愚かな少年は信じて疑わない。


だから、ずっと少女のことを意識して、その思いはだんだんと、友人へ向けるものから、好きな人に向けるものになっていった。


さらに、思いもどんどん膨らんでいった。









コレは、この思いは、

愚かな少年自身のせいで生まれた、

愚かな"僕"自身にかけられた"呪い"だ。






_________________________________________


『いつからか離れていった君へ』の続きを考える間の繋ぎです。今の所、この作品は10話いかないくらいで終わる予定ではあります。


でもまあ、僕の予定は大体崩れるのでもっと少なくなるかもですし、もっと増えるかもしれませんが、そこはお許しください。


もし、続きが気になる!って方や、面白そう!って思った方は、是非是非♡、★、作品のフォローをよろしくお願いします!






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