縛りプレイ
なりた供物
縛りプレイ
今日もまた嘘をついた。それはそれはたくさんついた。
今日はパチンコで7千円勝てた。嬉しかったので千円のラーメンを食べた。しかし昨日は1万負けていたから、埋め合わせのためにわざわざ借金をしに行った。返済はできるのだろうか。
今日は仕事にも行けなかった。仕事の事を考えるだけで冷や汗が止まらず何もできなかった。シフトから勝手に逃げ出すのは最低だがどうする事もできなかった。きっとこのバイトもまたクビになると思う。
今日はまた親に叱られた。お前は勉強せずにバイトばかりして、早く正社員になれ、と。僕は別になりたくてなっている訳ではないし実際バイトについていくのもやっとの状態なので何も言い返せなかった。何もできなかった。
今日はまた薬を抜いてしまった。なんか飲みたくなかった。薬の量はどんどん増えていくし試しに一回抜いてみたらどうなるか実験してみたかった。おそらく地獄を見るだろうが。
今日もこっそりお金を借りてしまった。きっと怒られるだろうか。怒られるだろうな。扶養だもんな。だけど、もう自分ではどうすることもできなかった。ただし、この生活が変わったら変わったで精神的に相当苦しむだろうが。
今日は幸せではなかった。でも明日は幸せかもしれない。ネットで友達を作れるかもしれない。もう現実の友達は諦めているし、ろくな人間じゃない僕が友達なんて作ったらその人の人生の足を引っ張り続けるだろう。
今日は警察に捕まらなかった。毎日が怖い。犯罪をしようという気持ちは一切ないのだが魔が差しそうでとても怖い。ベッドから動けなくなってしまうな。きっと、これからは。
今日は死ななかった。いや、死ねなかった。幸せに生きる方法が全く見つからないので早く死んでしまいたいのだが全てを失うのがなぜか怖い。死ぬとすべてが無くなると思っていたのだが、自殺するとそれ以上の苦しみがありそうな気がする。転生もできないと思う。
今日も隠し事を続けた。たぶん、隠せていると勘違いしているのは僕だけだ。そして、いつまでも、いつまでも勘違いを続けたいと思っている。
明日は、幸せだろうか。
縛りプレイ なりた供物 @naritakumotsu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます