section5 学年対抗戦

第1話

「私?」


「今年は君の番だ。ちなみに言うと拒否権は無い」


「え~~?じゃあ聞く意味無くないですか?だんちょー」


 暗がりの部屋。もうすぐ寝ようとしていた(見た目は)少女に一通の通話。


 少女の名前は、アリア・シルヴァニア。数少ない、人類が誇るSランクの人物であり、アークの師匠の一人である。


 現在、彼女が団長と称した人物は、軍の最高司令官────つまり、『英雄』を除いての人類の頂点に立つ人である。


「それに、君はラッキーでは無いかね。是非私に感謝して欲しい所なんだが」


「えー?そんな所ある?私の貴重な時間を、学生達の訓練に当てないと行けないんでしょ?だったら────」


「今年は、一年生にアークがいるぞ」


「──────」


 ぴしり、と口が止まった。


「もう既に、ライオネルとエフェリオネは会ったそうだ。だから、そろそろお前にも会わせようという、私の深ーい心に感謝────」


「だんちょーさすが〜!いよっ!世界一!」


「────はぁ、全く、この弟子バカ三人衆は……」


 では、頼んだぞと言い残し、通話を切った最高司令官。アリアの頬は、にへにへと緩みきっているのだった。









「……よし、これでお前たちは正式なパートナーとなった。これから先────それこそ、死がふたりを分かつまでお前たちは一緒だ」


「「ありがとうございます」」


 その後、自分の体調を何とか誤魔化し誤魔化しながら学園にやってきた俺とリオーネ。事務所で正式なパートナーとなるための書類を貰い、エイリ先生にへと渡しにやってきた。


 こうして、俺とリオーネは仮ではなく、正式なパートナーだ。その事が嬉しいのか、リオーネの頬が隠せないほどにニヤニヤしている。


「さて、パートナーになることで色々と覚えることがあると思うが……一つだけ、お前達に聞きたいことがある」


「?」


 ん、何かそんなキリッとした真面目な顔聞くようなことあったっけ?忘れてるだけで、何か重要な────


「お前達は、


「────あ」


「っ!?」


 あー……そういえばそうだったな。すっかり忘れていた。


 このパートナー制度。お互いの理解をさらに深めるために、同じ部屋で暮らすかどうかの意思表示があるんだったな。すっかり忘れていた。


 んで?それってつまり、推しと一日中一緒に居れるという事で……。


「………」


「………っ」


 ぱちり、と目が合ったが、昨日のことを思い出したか顔を赤くして目を背けるリオーネ。


 うーん……いや、流石に同棲はどうなんだ?論理的に考えて。俺らまだ学生だぜ?いや、昨日一線を超えた奴が何を言ってんだとは思うが、流石に……ねぇ?


 いくら位世界とはいえ、男女が一つ屋根の下はいかんと思うのですよ。あと、純粋に俺の理性が持たん。


 ここは、鋼の意思で断りを────


「あー、流石に同室はやめておき────」


「します」


「え?」


「ん?」


「同棲します!!!」


 言ったわこの子。もうはっきり同棲って言っちゃったわ。


「………そうか。なんだ………その、あまり羽目を外しすぎるなよ」


「──────ウイッス」


 自信はない。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

久しぶりだからちょっと短め。ここからちょっとずつ多くしようとは思う。


とりあえず、さきたま杯予想してくるわ!

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