第36話 拠点

"僕たちは 討伐部隊が 乗っていた 黒のワゴン車を 回収し 足を手にいれた。


海さんは 車外と車内に 取り付けられた GPSや無線機を取り外し これから 僕たちが向かう 位置情報が ばれないようにしてくれた。




リョウさんは 討伐部隊が 派遣されたのは 僕たちの 存在が相手に 知られている 可能性があると言っていた......


もしそうなら ここから早く離れないと 危険だと...


ユミさんの提案で ビルや地下の ある場所に移動し そこを拠点に 武器や食料に なるものを探す事になった......


僕は 皆それぞれに 役割みたいな 自分にしかできない事を ちゃんと理解してて 確実に指示や実行できる事が 羨ましく思い 虚しかった......




僕もいつか 皆の役に立ちたい......




黒のワゴン車を走らせて 2、3時間くらいたっただろうか 着いた場所は...


ここは 崩壊するまでは きっと たくさんの人に溢れ 賑わい 活気に溢れた街だっただろう......


今は 誰もいない 冷たいコンクリートの ビルだけが建ち並んだ......どこか 切なかった...




そんな思いは 心の隅に置き 僕たちは タオルで鼻と口を塞ぎ 地下街の視察を始めた。


入り口の階段を降りると だんだんと暗くなり 何も見えない......皆 それぞれに 懐中電灯を片手に その光を 頼りに 足を進めた。


地下街には そのままの状態で 商品が残され


突然 人が消えたような感じで 不気味で悪寒が走ったのを覚えてる。




どんどん 奥に進むと次第に 異臭が強くなり そこには食品が あったのだろう


タオルで塞いだ 鼻も役に立っているのか 疑問に思いながら 食料となるものを 探した。




懐中電灯の灯りで 目を凝らしながら 探すと 思わず 声を漏らし


「あっ!」


僕は その什器目掛けて 飛びついた


僕が手にしたのは レトルト食品


これは 殺菌したパックに密封された物 僕は感極まり


「よっしゃー!」


大声で雄叫びをあげ 何度もガッツポーズを取ってしまった......それと同じくして


リョウさんの雄叫び 海さんの雄叫びを聞き


数年ぶりの 日常の食卓に 並ぶ食品を目にして


舞い上がってしまった。"


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