第20話 後悔

"僕の手を掴んだ ユミさんは


「絶対に離すな!」


そう言うと 僕たちは 激しい雨と土砂に揉まれボロボロになりながらも お互いを離さず 抱き寄せ苦しい時間を 堪え忍んだ......こんなにも 息が苦しく 泥や泥水を全身に浴び 目は開けてられない 体は重く 朽ち果てそうなのに......諦めてるわけじゃなく 何故か 恐怖とか そんなものはなくユミさんとなら 僕は死んでもかまわない......なんて この時の僕は 思って死ぬ恐怖を 忘れてた。


男なら きっと守って みせると誓うんだろうな




時間が流れ 失いそうになる 意識を何度も 繰り返し 気づくと 雨は止んでいた......


「ゆ......ユミさん!?」


その瞬間


ユミさんの体が 僕から離れてゆく......急に僕の頭の中に 電流が流れたように 無我夢中でロープを掴み ユミさんの体を支えた......この後の事は あまりよく覚えていない 気がついたら あの洞窟にたどり着いていた......ユミさんの冷たくなった体を 毛布に包み 必死に温め 意識が戻るように 神様に何度も何度も 頼んだ


僕が......あなたとなら 死んでもかまわないと思ってしまったから......と 何度も後悔し 気がついたら 叫んでた


「助けてください!どうか 助けてください!お願いします!どうか 助けて......お願いします..ユミさんを 助けてください!」


ピーピー ピーピー ピーピー ピーピー


「う...うり......ぼう...?そう...そうか 僕は お前も連れて きたんだな......」


ピーピー ピーピー ピーピー ピーピー


不安から 解放されて 涙が溢れた......ユミさんの体を 擦りながら 溢れた涙は もう止まらない




うつ向いた僕の頭を ポンポン何かがあたる


「バーカ......死んでない......から」


力のない 弱々しい声が 聞こえる 僕が 顔を上げると ユミさんの手が 僕の頭に 伸びていた


そして 涙腺が崩壊した......


「よ......よかった......」


生きてくれてた事に ありがとうと 何度も感謝しユミさんの手を 握って離せなかった......ありがとう"


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