インチキ強化をスタート
第12話 転移ゲートへ
翌日、目が覚めると俺はベッドの真ん中で寝たままだった。
フレイアがチラっチラっとこっちを見ている気もするが、声を掛けない事にする。
「昨日はお兄ちゃんと一緒で良く眠れたのだ」
「何事もなくてよかったっすよ」
「エドさんがそのままベッドで寝ているとはおもいませんでしたわ!」
インテグラが約束と違うと怒っている。
「俺もそのまま疲れて寝ちゃったからさ、今度から気を付けるよ」
「ぜひそうしてください!信用問題になります、フレイアさんも一言お願いしますですわ」
「そっそうだな、エド昨日は迷惑をかけたみたいだったな」
フレイアは朝目覚めたらエドに抱きついていた事を自覚しているのであまり強く言えなかった。
「おれも気を付けるから、ごめんなフレイア」
俺の言葉を聞くとフレイアが真っ赤になってしまう、フレイア自身がエドにがっちりと抱きついていた事を俺自身が認識している事が恥ずかしかったのかもしれない。
「さぁ良く寝たのだ、次の目的に向けて出発するのだ」
俺達は宿屋の食堂で軽い朝食を取ると宿屋から出て行く。
店番の婆さんはお決まりの台詞を言っていたよ
「ヒヒ……昨晩はお楽しみでしたか」
だってよ、耳が遠いじゃねぇのかよと思ったが、軽く無視して宿屋を出発したが、フレイアが婆さんの言葉に凄く反応してしまいしばらくポンコツだった。
出てくる敵には真面目に対処したので問題ないけど、俺と目を合わすと少し気まずい感じが続く。
「エドさん方角はこっちで会っているのですか?」
インテグラは初めて来る場所を何のためらいもなく進む俺に心配そうに話しかけて来る。
「勇者スキルで何となくわかるんだよ、心配しなくても大丈夫だ」
途中、粗末な小屋があるが無視。
ここにもジイさんが居てこの先に転移ゲートがあるが、魔法の鍵がないと扉が開かないから魔法の鍵を手に入れろと言うだけのジイさんだ。
この世界では役割が違うかもしれないが、先を知っているので無視する。
「エド、さっきの小屋は意味がありそうだったけど立ち寄らなくても良かったのか?」
「あの小屋にはジイさんが一人で住んでいるだけだ、見知らぬ俺達が他人の家に入るのも迷惑だろ」
「そうだな」
フレイアは少し納得しないような感じだったが、その先をめざして移動を続けた
「でもあんな所におじいさんが一人で住んでいるっすか、良く一人で生活できるっすね」
ゲームあるあるだ、爺さん一人でこんな強い魔獣が生息する地域に良く生きていられるとは、ある意味謎なんだ。
実は凄い強いジイさんなのかもしれない。引退した歴戦の兵士とか。
続けるように進んで行くと、厳重な魔法の扉のある祠に到着する。
今回の目的地は、転移ゲートのある祠だ。
「エド、この祠には何があるっすか?」
「入ればわかるよ」
魔法の鍵(改)で扉を開くと、ガチャリと鍵が外れる音がする。
この魔法の扉は鍵で開き、ドアを通過するとオートロックされる。
祠の中に入ると部屋の中心に楕円形の転移ゲートがあった。
「こんな所に転移ゲートが残っていたっすね」
「セレスは転移ゲートを知っているのか?」
「過去文明の遺跡っすよ、教会で教えてくれたっすが現物を見るのは初めてっすね」
「えっとエド、ここに入るのか?」
「そうだよ、フレイアが心配なら手を繋いで行ってもいいぞ」
「いや大丈夫だ」
俺が手を差し伸べるとフレイアは顔を赤くしながら否定していた。
改めて見るとフレイアの反応が結構可愛い、昨日あんな事があった後だから余計か。
下手に変な事をするとポンコツになるので、あまり変に言葉をかけるのも辞めよう。
全員並んで転移ゲートに入ると、体がスッと消えて、違う部屋の中に移動していた。
後には転移ゲートは楕円形に光っている。
「もう移動したっすかねぇ」
「移動は一瞬ですわ」
四人は初めての転移ゲート通過なので体のあちこちを見て状態を確認していた。
祠の扉を魔法の鍵で開けるとまぶしい太陽の下に、まだ遠くだが第三の街と第二の城が見えたのだった。
第三の街までは少し距離がある、早速新フィールドでの敵との遭遇だ。
前のフィールドで結構強かった ダートワームとジャイアントスコーピオンの新しい組み合わせだ。
ジャイアントスコーピオンには毒攻撃があるので、集中的に叩く。インテグラの魔法攻撃と武器攻撃が大体同じ強さになっているのでMP温存で武器攻撃をしてもらう。
全員クリティカルヒットとインテグラとセレスは武器を新調しているので敵に大ダメージが入るようになっていた。
本来真面目にやると一ターンでは倒せないジャイアントスコーピオンをあっさりと倒す。
先制攻撃中なので、ダートワームもそのまま倒し、初戦が無事に完了した。
ジャイアントスコーピオンのドロップアイテムはMPポーションだ。序盤にしては高価なアイテムを落とすが、レアドロップなのでこれはこれで売れば軍資金になるだろう。
このフィールドでの最初の目的地は鉱山前の森だ。
ここで力のポーションを落とすジャイアントモンキーなる魔獣を狩るのが目的だ。
この力のポーション目当てで物理攻撃系を強化するレベル上げを行うのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます