第19話 反旗⑲
「となると師団をあそこに張り付けておきましょうか?」
「いや、そうすると敵がそこ以外のところで攻めてくれるかもしれない。そうなると早期に対応することができない場所で戦闘が発生する可能性がある。それは避けたい」
「なるほど。了解です」
「ともかく帝都防衛隊との戦闘に関しては気にしなくても大丈夫だ。こちらの戦力を考えれば負けることはない」
「空軍はどうする?もし本当に帝都まで攻め落とすのなら制空権は必須になるぞ?」
「そこが問題だ。一応空母がこちらにもあるから海上での航空戦は大丈夫だが、陸上での航空戦はできない」
「どうする?正直制空権がないとこれからの陸上戦闘は厳しくなるぞ?」
「…空軍に何か伝手のある者はいるか?」
ここに集まっている師団長らにそう問いかけるが誰も声を上げない。
空軍だけは士官学校が別にあり、さらに空軍は規模が小さいので関係者自体が少ない。それに空軍司令官である人物はあまり空軍以外の軍部と関わろうとしない珍しい人間なので司令官である俺もあまり知らない。
「…しょうがない。戦闘が始まってすぐに空軍が投入されることもないだろう。とりあえずは陸軍と海軍で押していくことにする」
「そうだな。そもそも空軍がいないと厳しくなるだけで陸上戦力だけでもがんばればどうにかなる。それに海上では戦艦のほうが強いはずだ。どうにかなる」
それからは実際に駒を動かして模擬戦を進めていく。模擬戦といっても一対一で戦うというものではなく、こちら側と相手側の双方の最善の動きを全員で考えていき、絶対に勝てるという駒の動かし方を考えていく。
ある程度方針が固まったところで今日は解散とする。
カースたちはここに到着するまではずっと移動をしているので疲れもたまっているだろうし、アイリス公爵家の使者が来てもおそらく説得することができる領域まで来ている。
カースたちを解散させると俺はそのまま海軍基地に向かう。
顔パスで中に入りそのまま指令室に行くとライラック中将が書類作業をこなしているところだった。
「最高司令官、どうされましたか?」
「陸軍の一部師団の協力を取り付けることができたから、それを報告しようと思ってな」
「そうでしたか。具体的にはどの師団が参加してくれるのでしょう?」
「第3、4歩兵師団と第8機械化歩兵師団だ」
「それはまた、、、豪快にいきましたね」
「俺ではなくカースに言ってくれ」
「カース陸軍司令官までもがこの反乱に加わったのですか?」
「あぁ、それで参考までに聞きたいのだが戦艦は航空機よりも優位にあると思うか?」
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