第13話 反旗⑬

現在、俺たちも海軍戦力というともともとアカル侯爵家が持っていた、コバルト級重巡洋艦1隻、エフェメラ級軽巡洋艦3隻、アルマク級駆逐艦2隻、シドニア級駆逐艦2隻、それに輸送艦などが30隻。ここに地中海艦隊指揮下のマンドレイク級空母2隻、アンバージャック級戦艦3隻、ガーネット級重巡洋艦3隻、コバルト級重巡洋艦3隻、クォーツ級重巡洋艦4隻、軽巡洋艦が20隻ほどに駆逐艦が35隻ほど。


これを合わせると空母2隻、戦艦3隻、重巡11隻、軽巡25隻ほど、駆逐艦40隻ほど、そしてその他多数の大艦隊となる。この戦力なら正直周辺にあるあまり大きくない国となら戦争をしても勝てる。


しかし、帝国は地中海艦隊のほかにも黒海艦隊、第1遊撃艦隊、第2遊撃艦隊の3つの艦隊がある。このうち第2海遊撃艦隊がアイリス公爵家が治めているイスタンブールにあり、黒海艦隊がセバストポリに、第1遊撃艦隊が黒海東部のバトゥーミに基地がある。


それぞれの艦隊が地中海艦隊と同等、またはそれ以上の戦力を保有していて正直今の状態だと引き分けに持っていくのが精いっぱいといったところだ。しかし、もしここに第2海遊撃艦隊が加わることになれば十分勝利が見える状況になる。


ただ、海上の戦闘が解決しても陸上戦闘で負けてしまっては意味がない。確かにもともとこの国は陸軍よりも海軍に重点を置いている海軍国家なので陸上戦力に関してはそこまで強力なわけでもない。


だが、さすがに1連隊規模でどうにかできるようなものでもない。ファセリア辺境伯爵軍と合流することができればそれもどうにかすることができるかもしれないが、それにはエーデルワイス公爵家の協力が不可欠となる。…ダメもとで父さんにエーデルワイス公爵家に参加してくれないか電報を打ってもらうことにしよう。


とにかく今やるべきことはアイリス公爵をどうやって説得するかだ。それは今確定している戦力だけで少しでも戦えるというところを見せなければならないということ。問題は陸上戦力だろう。…シャラパール伯爵家とジェンティアナ侯爵家の兵士たちとともに山岳で戦線を張ればなかなか突破されないような形になるはずだ。


もし、ここでカースの支援を受けることができれば楽に進められるだろうがあいつが参加するかどうかはわからない。あいつは有能な軍師だからもし敵について、さらに前線で指揮を執るようなことになれば間違いなく自分たちの軍隊が壊滅することになる。…ただあいつが自分の指揮下に入ると考えると頭痛しかしないが、、、


だからこそカース・フィリップを味方につけるのは前提条件になる。もうすでにあいつの耳にも今回のことが入っているだろうからあとで電報を送って確認してみよう。

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