第259話 大海を知る
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シンヤ・モリタニ
性別:男 種族:神人 年齢:18歳
Lv 10
HP 1000000/1000000
MP 1000000/1000000
ATK 1000000
DEF 1000000
AGI 1000000
INT 1000000
LUK 測定不能
固有スキル
生殺与奪・神眼・王の権威・魔の境地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操作・戦士の誓い・透過・明鏡止水・勇者王・大革命・大黒柱・リセット
武技スキル
刀剣術:Lv.MAX
体術 :Lv.MAX
魔法
全属性魔法
装備
黒衣一式(羅神級)
黒刀ムラクモ(特神級)
称号
異世界からの来訪者・運の女神の加護・逆境に抗いし者・ご都合主義・恐怖を与える者・武神・魔神・魔物キラー・絶望の森の主・統率者・盗賊キラー・スキルホルダー・進化者・英雄・救世主・邪神殺し・昇華せし者・殻を破りし者・偉業を達成した者・超越者・到達者
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「くそっ!"未来視"!!」
迫り来る斬撃から逃れようとハジメは自身最大の武器である固有スキルを駆使した。結果、斬撃から逃れ、離れた位置まで移動することに成功した。
「"未来視"…………1日に7回までの使用が可能。一度に最大10人までの未来を視ることができるが最初にどのくらい先の未来まで視るかを決めなければならない。範囲は1秒先〜20日後までの間。ただし副作用として、1日の終わりに耐え難い苦痛が襲ってくる……………と。デメリットはあるが、なかなかにぶっ壊れなスキルだな」
「ちっ、どうやら先程お前が言ったことは間違いではないようだな。こっちの情報は全て筒抜けという訳か。だが………………」
ハジメは不敵な笑みを浮かべると堂々とした態度でこう言い放った。
「甘いな!スキルが分かったところでお前にはどうしようもない!未来を視ることができる者に勝つことなどできはしないのだから!所詮、お前はぽっと出の冒険者!選ばれし者である俺とは違う!」
「お前は今までに2回、"未来視"を使った。ということは残された使用可能回数はあと5回だ」
「つまり、"未来視"を使い切ってしまった俺が倒されるか、はたまたそれまでにお前が倒れるかで決着がつくということか。ふんっ、馬鹿馬鹿しい!どちらの結末を辿るかなど決まっているだろう!俺が………………勝つ!」
「威勢だけはいいな……………"地獄刀"!」
「"未来視"」
スキルによって攻撃の軌道を把握したハジメはそれを避け、すかさずシンヤの後ろに回り込んだ。そして…………
「"
光魔法を纏わせた剣で思い切り背中を斬りつけた。無防備な部分でなおかつ魔法剣ともなれば、いくらステータスに開きがあるとはいえ、流石に深手を負っていることだろう。そう思ったハジメはほくそ笑みながら、一瞬だけ戦闘態勢を解き余裕ぶった態度で見下ろした…………………がしかし、
「"羅神刀"!」
「っ!?みらっ………"未来視"!!」
突然、猛烈な殺気を感じたハジメはシンヤが振り向きながら攻撃をしてくるとほぼ同時にスキルを使い、回避に専念した。ところが、スキルの発動状態が良くなかったせいか、酷い目眩に襲われたような、また船の上で揺れているような映像でしか視ることができず、完璧に攻撃の軌道を読むには至らなかった。その結果……………
「ぐわあああっ!?お、俺の腕があっ!?」
ハジメの左腕は宙を舞った。そして、あまりの痛みで地面に蹲った。傷口からはとめどなく血が溢れ出し、すぐにでも止血が必要な状況ではあったのだが、それをする余裕もない程、ハジメは痛みにのたうち回った。それをシンヤは無表情で見下ろしながら、刀を一振りして鞘に納めた。
「戦闘、ましてや命を賭けた死闘において油断をするとはとんだ"選ばれし者"だな。どんな敵と戦おうが一瞬でも気を抜いた方が負けだ。結果的には勝ったとしてもな」
「ぐわあっ…………"
「事前に強化の魔法をかけていたからだ。あれはお前が2回目の"未来視"を発動した直後だったか。次からは攻撃も交えて"未来視"を使ってくると踏んでいたからな。そんな時、ある程度の強者なら、まず間違いなく正面よりも背中を狙ってくる。だから、その部分により多くの魔力を使って魔法をかけた。すると全く攻撃を通さず、お前も驚いて体勢を崩すと思っていたんだが………………前者はともかく後者の部分に関して言えば、それ以前の問題だったな。まさか、あそこで油断して気を抜くとは」
「くそっ!まさか、渾身の一撃が効かないとは!こんなこと今まではなかったんだ!」
「そんなの知らん。大事なのは"今まで"よりも"今"だろ。それともあれか?お前は死ぬ直前になってもそうやって過去を振り返って嘆くのか?まぁ、そんな暇はないと思うが」
「お前のせいだ、"黒締"!全部、お前のせいなんだ!!」
「他者に責任を押し付けている暇があったら、ここから生き残る方法でも考えた方がいいんじゃないか?まぁ、お前は必ず生きて帰さないがな」
「ひっ!?な、なんなんだよ!言っておくが俺にはまだ"未来視"が使えるんだからな!舐めるなよ!」
「じゃあ使えよ。といってももうあと残りは僅かだろうが」
「ふんっ!少なくともあと3回は使える筈だ!……………あ、あれ?何故だ!?あと2回しか使えない!」
「おそらく、もたついていた時の分が2回分でカウントされていたんだろうな。言葉に詰まっていたし」
「そ、そんな!?ど、どうすれば…………」
「ってことでチャンス到来〜それっ、"火ノ
「っ!?"未来視"!!」
突然、シンヤから放たれた広範囲な火魔法を紙一重で回避するハジメ。直後、ハジメがいた地面には底の見えない大穴ができ、その周辺も残された火の残滓によって燃えていた。そして、ハジメはというと………………
「ぐわあああああっ!?」
火の手から完全には逃れられず、今度は右腕が焼けて灰となっており、使い物にならなくなっていた。
「これであと1回。そろそろ疲れたろ。いっぺん寝てみるか?」
「い、嫌だ!頼む!た、助けてくれ!」
「お前は本当にどうしようもない奴だな。啖呵を切った割にやること為すこと、その全てが中途半端。挙句の果てにはそれすら失敗して敵に命乞いまでする始末。そして、最も寒いのがお前が起こした今回の騒動。あれだろ?今回の一件は邪神災害の丸パクリだろ?」
「っ!?」
「どうやら図星のようだな。情けない。独創性すらなく、他の奴の真似事しかできない。以前、俺がいた世界でもそんな奴がいたな。誰かが事件を起こすと似たような事件を起こす奴がいたんだ。そういう奴は"模倣犯"って呼ばれていたみたいだが」
「以前いた…………世界だと?」
「……………そろそろ時間だな。悪いが俺も暇じゃないんでな」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!お前は一体…………っ!?"未来視"!!」
「はい、終了。これでもう、それは使えないな」
「くっ……………」
「じゃあな、模倣犯。もし、もう一度神に会ったら言っといてくれ。"いずれ会いにいく。そん時は俺をこの世界へ送り込んだ理由を教えろ"と」
「会いにいく!?世界へ送り込んだだと!?お、お前は一体何を言って…………」
「黒刀滅神技……………"絶栄"!!」
「ぐおおおっ〜〜!?くそったれがあ〜〜!!」
その日、とある場所で大爆発のような衝撃が走った。それは周囲1kmにまで及び、大地を木々を周りのもの全てを無に帰す程の破壊力だった。しかし、運の良いことにその範囲には何の罪もない一般人はおらず、無関係な者が犠牲になることはなかった。そして、その衝撃が収まった直後、降りしきっていた雨は止み、雲の切れ間から陽が差し込んできた。それはまるでシンヤの勝利を祝福しているかのようだった。
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