第239話 竜に乗った執事
フォレスト国への入り口付近。現在、そこには白い修道服を来た集団である"聖義の剣"が50人程押し寄せていた。当然、彼らの目的は襲撃という碌でもないものだが、たったこれだけの人数で国を相手にすることが可能なのかと問われれば、まず不可能であろう。しかし、彼らは初めから国を潰すつもりなどなかった。高ランク冒険者や大量の兵士達によって、撤退を余儀なくされる前に適当に目に付いた人や建物を破壊して、国全体に甚大な被害を及ぼしてやろうと企んでいたのである。とはいえ、そもそもの人数が少なすぎるがそれでも勝算があるのであれば、話は別だ。そして、その勝算を彼らはちゃんと保持していた。
「お前ら、行くぞ!」
「「「「「うおおおおっ〜!!!!!」」」」」
大きな地鳴りと共にフォレスト国へと迫る集団。実は既にフォレスト国の衛兵が入国を阻止しようとして、何人かやられてしまっていた。"聖義の剣"は非常に血の気の多い集団だ。故に衛兵との一戦が準備運動となり、彼らの勢いに火をつけてしまった。何とか逃げ延びた残りの兵達が急いで救助を求め、国内へと戻っていったが果たして間に合うかどうか………………ところが、その心配は杞憂に終わることとなる。
「お前ら、一旦止まれ!!」
「「「「「は、はい!!!!!」」」」」
不意に空を見上げた集団のリーダーは思わず、大声で叫んだ。せっかくの勢いをつけた行軍。できれば彼らとしてはこのまま真っ直ぐ突き進むのが最良なはずだった。だが、それはリーダーが上空に違和感を感じるまでの話。今はその最良を捨て、立ち止まることが先決だと考えざるを得なかった。それ程の異常事態が起こったのだ。
「ど、どうしたんですか!?」
「あれを見ろ」
指示には従いつつも不安になった部下は訊いた。その後、リーダーの指差す先を見て、指示内容の理由には納得がいったが、不安が解消されることはなかった。何故ならば………………
「っ!?あ、あれは」
「ドラゴンだな……………それと上に人が乗っている」
突然、咆哮が響いたかと思うと次の瞬間、それらは上空に現れ、翼を大きくはためかせて、彼らの目の前へと降りてきた。その正体は全身が真っ黒の竜と黒衣を上から羽織った執事服を着用した顔に皺が目立つ老人だった。ちなみに彼らが地面へと降り立った瞬間、大地が大きく揺れ、そのせいで何人かはたたらを踏んでいた。
「お初にお目にかかります。私、クラン"黒天の星"従魔部隊の副隊長を務めているセバスと申します」
「同じく従魔部隊所属のラギアだ」
「っ!?やはり、その服装は"黒天の星"の……………それとお前らのとこの魔物は人語を解するのか」
「うちのは皆、優秀な者ばかりでしてね……………ところであなた方は」
「ああ、俺は"聖義の剣"第3部隊の隊長を務めているランカクだ」
「なるほど"聖義の剣"………………まぁ、存じておりましたがね」
「ふんっ!ふざけた爺さんだな……………で?お前らは一体何故、俺達の目の前に立ち塞がったんだ?」
「そんなの決まっているじゃないですか」
「っ!?」
次の瞬間、黒竜ラギアが翼を凄い勢いで羽ばたかせた。これにより、多くの"聖義の剣"のメンバー達が成す術もなく吹き飛ばされて無力化されていく。中には直接的な被害こそないものの、あまりの恐怖で身体が動かない者もいた。
「あなた方を止める為ですよ」
そう言うと懐からダガーのようなものを取り出すセバス。それと同時に彼から尋常ではない殺気が溢れ出す。それに対してランカクは険しい顔をしながら、セバスを睨み付けた。するとセバスの方も視線を合わせてくる。ちなみにセバスの形相は黒竜であっても裸足で逃げ出す程だった。
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セバス
性別:男 種族:人族 年齢:75歳
Lv 95
HP 7000/7000
MP 7000/7000
ATK 7000
DEF 7000
AGI 7000
INT 7000
LUK 7000
固有スキル
執事・暗殺術・若返り・限界突破・魔の境地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操作・戦士の誓い・透過・明鏡止水
武技スキル
刀剣術 :Lv.MAX
体術 :Lv.MAX
魔法
全属性魔法
装備
土色のカタール シザー(伝説級)
称号
創造神の加護・傅く者・従者の心得・武神・魔神・魔物キラー・盗賊キラー・暗器の使い手・達観する者・執事の極地・元フォレスト王家執事
――――――――――――――――――――
ラギア
性別:雌 種族:ドラゴン(魔物) 年齢:187歳
Lv 70
HP 6500/6500
MP 6500/6500
ATK 6500
DEF 6500
AGI 6500
INT 6500
LUK 6500
固有スキル
咆哮・威嚇・生存本能・魔の境地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操作・戦士の誓い・透過・明鏡止水・???
武技スキル
刀剣術:Lv.MAX
体術 :Lv.MAX
魔法
全属性魔法
装備
黒衣一式(神級)
魔爪トゥパク(伝説級)
称号
竜神の加護・耐え忍ぶ者・巡り会いし者・羽ばたく者・傅く者・恋する乙女・従者の心得・武神・魔神・魔物キラー・盗賊キラー・短気
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