第64話 妖怪
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オウギ
性別:男 種族:妖怪(天狗種) 年齢:93歳
Lv 50
HP 4600/4600
MP 4300/4300
ATK 4896
DEF 4753
AGI 4424
INT 4578
LUK 4200
固有スキル
妖化・百鬼夜行・妖渡り・飛行・魔の境地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操作・戦士の誓い・透過・明鏡止水・???
武技スキル
刀剣術:Lv.MAX
体術 :Lv.MAX
魔法
全属性魔法
装備
黒衣一式(神級)
緋色の刀ムラサメ(上級)
烏羽色の扇子アメノワカミコ(上級)
称号
山神の加護・熟練者・老翁・揺れぬ者・傅く者・従者の心得・武神・魔神・魔物キラー・盗賊キラー・頑固者
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妖化
1日6回まで使用可能。ただし、種族が妖怪となっている者しか使用できない。全ステータスが1.1倍になる。クールタイムは15分間。
百鬼夜行
1日1回しか使用できない。妖怪達を率いて、総攻撃をしかけるスキル。自身も含めた味方全員の全ステータスが1.5倍になる。
妖渡り
妖界と現世を行き来できる。
山神の加護
山神オオヤマツミの加護。HPの値に補正。
熟練者
色々な物事を長い間、見聞きした者に贈られる称号。DEFの値に補正。
老翁
経験を積み、徳が高い者に贈られる称号。ATKの値に補正。
揺れぬ者
常に余裕を持ち、どっしりとしたその威容。その精神はちょっと何かが起きただけでは揺るがない…………はず。AGIの値に補正。
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妖怪は普段、妖界と呼ばれる別の世界で暮らしていて、現世に現れることはほぼないし、そもそも現世に行くことができる者自体、限られていた。そんな中、ワシは度々、現世に赴いてはその土地の珍しい特産物や貴金属、武器などを持ち帰り、皆に分け与えることを趣味としていた。そんなある日、いつものように現世に赴き、色々な物を持ち帰ろうとしていたところ、何やら怪しげ集団が森の中でコソコソとしているのを発見した。見れば、黒ローブを纏っており、複数の少女達をどこかに連れ去ろうとしているように感じた。このままではまずいと思ったワシは咄嗟に手近にあった小石をその集団に向かって投げつけた。すると目論見通り、集団はワシにすぐ気が付き、さすがに手が塞がっていては遅れを取ると思ったのか、少女達を解放して、こちらに向かってきた。ここでその集団を倒しておければ、今後、被害に遭う者も減ると踏んだのだが、そう甘くはなかった。周りを囲まれ、あっという間に縛り上げられたワシはシリスティラビンという名の迷宮都市へと連れて行かれたのだった。しかし、今、思えば結果的にはそれで良かった。何せ、そのおかげであの御方と会うことができたのだから…………
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「で、ここなんじゃな?」
「ええ、まさしく」
シンヤ様に発表されたワシの上司はイヴ殿だった。現在、絶望の森へとやって来ている我々。わざわざ、ここへとやって来たのにはちゃんとした理由がある。それは…………
「それにしてもこんなところに妖界への入り口があるとはの…………いや〜気が付かないもんじゃのぅ」
「それは当然でしょう。入り口とは言っていますが、正確には境目があるのです。そこをこじ開けて、ワシは現世へと足を運んでいましたのじゃ。しかもその境目は本来、妖怪にしか、目視できません。なので、邪な考えを持った輩に同族達が襲われる心配もないでしょう」
「ん?でも、シンヤは度々、この辺で足を止めて何かを気にする素振りを見せていたような……」
「シンヤ様は特別です。おそらく、妖界の存在にも気が付いておられたのでしょう」
「まぁ、あやつなら、あり得るな」
「ええ……………さて、それでは少し離れておいて下さい。説明した通り、ワシ1人ならば、何の問題もないんじゃが、今回はイヴ殿もご一緒ということで境目を大きくこじ開けねばなりません」
「でも、どうやって?」
「こうするのですじゃ…………"
「おお〜!刀で空間を斬り裂いて、境目をこじ開けるとは…………実に見事な手際じゃな」
「これで誰でも妖界へ入れるようになりました。ですが、我々がここを通った後は念の為、穴は閉じておきますのじゃ」
「オウギ、お主はなかなかやるのぅ」
「もったいなき御言葉でございます」
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「ほぅ。ここが妖界……………。どうやら、スキルや魔法は使えそうじゃな」
「お気を付けて。もしかしたら、いきなり襲いかかってくる者がおるやもしれませんのじゃ」
「ん?オウギが一緒におれば、大丈夫じゃないのか?皆、お前の顔見知りじゃろう?」
「いえ。一口に妖界と言いましてもとても広く、現世のあちこちに境目が存在しております。なので、ワシも全てを把握しきれているという訳ではなく、故郷もまた別の場所にございます」
「なるほどのぅ。さすがに多少のリスクは伴うか」
「ええ。しかし、妖怪には強き者も多い。もし、彼等の助力を得ることができれば、またとない戦力増強の機会となりましょう」
「まぁ、今回はオウギに任せる。困ったことがあれば、言ってくれればよい」
「かしこまりましたのじゃ」
「ん?もしや、あなた様はオウギ様では?」
「お主、ワシを知っておるのか?」
「ええ。何でも現世の物を妖界に持ち帰り、皆に配り歩いている天狗がいるとかで…………おそらく、ほとんどの妖怪はオウギ様をご存知かと」
強き妖怪を求めて、ある村を訪れた時、こちらに向かってくる者がいた。それは若いろくろ首の女でどうやら、ワシのことを知っているみたいだった。ならば、話が早い。
「ちと、訊ねたいことがあるんじゃが………」
「ええ、私は別に構いませんが…………」
「ん?どうしたんじゃ?」
「そちらの魔族の女性は一体、どういう」
「ああ、そんなことか。こちらはワシの上司であるイヴ殿じゃ」
「初めまして、妾の名はイヴという」
「は、初めまして。私はマヤと申します」
「で、ワシがマヤ殿も知っての通り、オウギじゃ。実は現世に赴いていた時に色々あって、冒険者になり、とあるクランに入ったんじゃ」
「えっ、あのオウギ様が!?」
「ああ。それで今はクランの方針で10人の者達がそれぞれ自分達の下につくメンバーを求めて、上司と共に様々な地へと赴いている最中でな」
「…………なるほど」
「ここまで言えば、ワシが一体、何を言いたいのか分かると思うんじゃが」
「おおよそは」
「ご理解、感謝する。では改めて、単刀直入に申そう」
「はい」
「ワシは今、強き者達を求めておる。何か心当たりがあれば、教えて頂きたい」
「かしこまりました。それでは…………」
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