風と歩みて
豪と吹く風
忘れた
一歩踏み込むその前の
吹き飛ばされた感情を
耳をねじ切る轟音が
吹き飛ばしたる音の記憶は
涙の跡だけ刻んであった
果たして
喜びだったのか
果たして
悲しみだったのか
在るのは凍え震える指先と
息を吸わせぬ風音に
ちり と焦げた忘却の痕
ごう と命喰う風は
壁のように吹くけれど
欠けた心の隙間から
ゆらりゆらり狼煙が上がる
いま踏み出す一歩目の
頼りのなさに笑う者
後ろ指をさすならば
背しか見えぬことを知れ
燻るならば 燃えている
涙で消せぬ炎であるなら
もはや
ごう と吹く風が
壁であろうと
糧であろうと
敵味方でもかまわない
消えぬ
豪と 歩めと 吹くのだから
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