第11話
第一のヒントはセカイはパワータイプ。
次の証人はカカシのカカノシンだ。
「セカイがどんなやつだったかっちかー?」
カカノシンは手を顎に当てて思い出そうとしている。
カカノシン、会ったときは露骨にカカシだったのに今は傘帽子を被った人間になっている。
人間形態になれるならずっとそれでいれないのだろうか。
「人間形態は体力いるっちよ」
と、本人はいっていたが。
「セカイは力が強かったっち!」
「あ、ごめん、それラオに聞いた」
「えー、他にあったっちかなー」
セカイの印象がパワーしかないのは酷くないか?
「そういえば剣になんかあった気がするっち」
「剣?」
私はしばらく剣を使わないからギターのように立てかけていた剣を部屋から持ってきた。
「セカイはよくこれに話かけていたっち」
「あ、アタシも見た。みんな見て見ぬふりしてた」
「記憶喪失の本人目の前にして言うことか?」
しかし、剣に話しかけていたということは剣に何か宿っているのかセカイのイマジナリーフレンドかのどっちかだな。
私は剣に耳を近づけた。
「……何も聴こえない」
やはりセカイのイマジナリーフレンドなのだろうか?
「セカイ……私って剣に名前とか付けてたっけ?」
「『
「それ元から付いてたやつ?」
「違うわ。セカイが自分で名付けたって言ってたもの」
まあ、ファンタジーの世界だからな……。
自分で剣に名前くらい付けるか。
まあ確かに、この剣から月光斬剣て感じのオーラ出てるかもしれない。
「オイラはセカイの力強い剣さばきに何度も助けられた」
「アタシもよ。セカイの月光斬剣に助けられなかった人はいないわ」
「そうなんだ……」
私は自分を恥じた。
自分の価値基準で「うわ、中二病かよ」とか思ってしまった。
でも、セカイはきっと意味をもって月光斬剣て名前を付けたのだ。
それに助けられてきた人がいるのだ。
私もこの月光斬剣で人を助けて行こう。
セカイの分まで。
「月光斬剣、よろしくね」
私は思わず口に出ていた。
「やっぱり剣に話しかけてるっちね」
「イマジナリーフレンドなのかしら?」
私はふたりの小声を耳に入らなかったことにして、月光斬剣を撫で続けた。
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