~After~第二弾!
……してしまった……。
いや、最後までしてないからある意味、未遂なんだけど……。
どうしよう……恥ずかしすぎて、あれから床に寝転がったまま顔を抑えてる状態。
緋月の顔が見れない……恥ずか死ぬ!
「……理央……顔、さっきから抑えたままだけど……そろそろ見せてくれないか?」
無理!
身なりを整えてくれたり、優しくチュウとかギュウをしてくれたけど、恥ずかしさは収まってないの!
とりあえず、首を横に振っとこう。
「……好き」
ん?
今……顔を抑えている手の隙間からほっぺにチュウした?
というか……今の流れって……あの時だ!
すごい雨の日で、雷が落ちて停電して、緋月と初めて二人きりでお泊りした日に私がした事をそのままやられたんだ!
「……あの時……起きてたの?」
「……うん」
「起きてるなら何か言ってよーー!!
寝てると思ってた私はすごい恥ずかしいやつじゃん!!」
「やっと顔見れた」
「顔見れたじゃないよ、緋月のバカー!!」
もう、そんな意地悪な笑顔浮かべて!!
信じられない!!
「ふっ……ごめん……」
ごめんと言いながらも笑ってるし……。
これは反省してないやつだ。
「今度は顔膨らませてる……ふっ……かわいい」
またほっぺにチュウされた……。
「……チュウしても許さないよ……」
「そっか……残念だな」
全然、残念って顔じゃないよ。
むしろ楽しんでる……。
あ、そういえば……。
「ねぇ、緋月……」
「ん?」
「……緋月は……いいの?」
「いいって……何が?」
「その……私だけ……触られたし……」
「……」
あ、面食らった顔してる。
お? 今度は悩みだした。
「……んー……よくはないけど……今は出来ないし……。
今度改めてさせてください」
「……」
……何かの本で読んだ事がある……。
男の人はそれなりに我慢が辛い時があるって……。
でも、あんなに私に触ったのに、これ以上を求めないし、今度でいいってちゃんと言ってくれるし……我慢強いというか、優しいというか……。
……すごく、想われてる……のかな。
そう思ったら、なんか直視出来ないし、返事……言葉に出すのは恥ずかしいから、頷くだけにしとこう……。
「またなんか照れた……ふっ……ありがとう」
またチュウした……嬉しいからいいけど……。
いい加減、起きよう……。
「理央」
「ん?」
「誕生日プレゼント、いっぱいありがとうな。
すっごい、嬉しい」
「……こんなのでよかったの?」
「こんなのって、あのなぁ……。
……十分」
わ、笑顔……しかも優しい笑顔だ。
何よ……そんな笑顔向けられたら……もっと好きになるし、怒っていられないじゃない……。
「そういえば……理央の誕生日はいつだ?」
「……二月」
「なら、今度は俺の番だな」
「……待ってる」
「うん……任せろ。
そろそろ夜も遅いし……家まで送る」
「……緋月」
「ん?」
「……帰る前に……キス……して、ください……」
「うん……」
自分から……ねだってしまった。
緋月の誕生日なのに……私がいっぱい、いろいろしなきゃいけなかったのに……私の方がいっぱいもらってしまった……。
次は……私の方があげられたら……。
夜も遅い時間になりつつあった私たちは、帰る準備を整えた。
その後は、緋月のお父さんに車で送ってもらって、ケーキのお土産まで頂いちゃったんだ。
ほんと、もらってばかりの日になっちゃったな……。
でも……いろんな緋月が見れて……楽しかったな……。
***
緋月の家にお招きされて数日後の週末の休みの日。
この日は、オサナ組と私の家で緋月の誕生日パーティーをする事になっているんだ。
皆が来るのはお昼過ぎ。
それで、今はもう、皆が来る時間が迫ろうとしている。
私は朝から誕生日ケーキを焼いたり、パーティー料理を作って準備しているんだ。
「よし、お料理完成!
あとは皆が来るのを待つだけだな」
お料理が出来て、皆の来る時間を考えながら準備をしていると、ちょうどインターホンが鳴り、オサナ組と緋月が顔を出した。
部屋にあがった皆は、それぞれコップを出して飲み物の準備をしたり、お料理をテーブルに運んだり、準備を手伝ってくれたんだ。
「よし! 準備も終わったし、日にちは過ぎてしまったが、改めて、誕生日おめでとう、緋月! カンパーイ!」
「「「おめでとーう!」」」
「……ありがとう」
ふふっ……悠が乾杯の音頭をきった。
さすが、ドラムをしていることはあるかな。
「しっかし、相変わらず、すごい量の料理だな……」
「どれも美味しそう~」
「理央は誰の誕生日でもこれくらいつくりますよね」
「一月は俺だな~。
理央、頼んだぜ!!」
「はいはい、悠の大好きな唐揚げをいっぱい作りますよ」
「それじゃ唐揚げパーティーだな」
たしかに!
緋月ってばすごい着眼点!
「んじゃ、そろそろ誕生日プレゼントの時間だな!
俺からはこれ!」
「……サンキュ、悠。
悠からは……靴下のセットだな」
「俺からはこれな」
「陸もサンキュ……これは……Tシャツ?」
「俺たちのバンドのオリジナルTシャツだ。
この間作ってもらった」
へー……陸ったら、いつの間に……。
緋月がすごいキラキラした目で見てる。
「マジか……嬉しい……」
「俺からはこれです」
「ありがとう、隼人。
これは……去年と一緒だな。
でも、種類が違う」
「はい、おしゃれ用のメガネです」
「え……メガネ?
もしかして……この間かけてたメガネって、隼人から?」
「うん、去年もらったやつ」
「そうなんだ……。
すごく似合ってたよ……カッコよかった……」
「……サンキュ」
「ふふっ、よかったですね、緋月」
「二人の世界に入っちゃった。
私からのプレゼントはお預けかな」
「あ、悪い、あーさん。
……頂きます」
「よかろう。
はい、これ」
「これは……すげー、セクシーな下着……布面積少ない……」
「ぶっ?! ゲホ、ゲホ、おい葵! 何考えてんだ!
緋月にそれを着ろってか?!
つーか、俺らの前でそんなもん見せんな!」
「陸ちゃんたら、何照れてんの?
意外とうぶなのね」
「はぁ?! うぶとかじゃねーよ!」
わー……陸、顔真っ赤。
「緋ーちゃんにプレゼントだけど、着るのは理央ちゃんに決まってるじゃん」
「……え?」
んー……葵ちゃん、何言ってるんだろう。
私……前に、もらったよ?
なのに……また目の前にあるのはどゆ事?
「理央ちゃん、第二弾だよ!」
「……緋月、それ……貸して?」
「え、う、うん……」
緋月から受け取った葵ちゃんからのプレゼントと紙袋……隣の部屋に……。
「この子は……封印!!」
「あ……理央が紙袋ごと寝室にしまった」
「というより、投げ込みましたかね」
「えー……せっかく可愛いの選んだのにー……」
「理央……」
「……だから、なんで二人して落ち込んでるの……。
どんなところで気が合ってるのよ……」
まったく、この二人は……。
私も着るタイミングを考えてるっていうのに、人の気も知らないで……。
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