第17話 追求
バタバタと五人分の足音がする。やれやれ、と息を吐き、天帝は額に手をやった。少し厳しすぎたか。でもあのくらいのことを言っておかねばいけない。
もう次はないのだから。そう思っているうちにバーンと扉が開かれた。
「天帝!私の身体今どこにあるの!?」
「天帝!瑤の体どこにあんだ!?」
「天帝!瑤の身体は無事なんですか!?」
「天帝!瑤の身体ちゃんと生きてる!?」
「天帝!瑤は無事なんですよね!?」
見事に重なった五つの声に流石の天帝ものけぞった。こいつらは全く!若い奴らだけならまだしも迅迦まで加わりおって!
天帝は怒ろうかとも思ったが、すごい剣幕で怒鳴り込んできた彼らにこれ以上は逆効果だと判断し、「一人ずつ言え…」と言うに留めた。
お互いの顔を見合わせ、よし!と先陣を切ったのは炎迦だった。
「天帝、あん時、瑤の魂魄を身体から切り離した後、身体の方は皇后に任せてたよな?」「任せたな」
「助かるかどうかは五分五分だともおっしゃっていましたね?」「言ったな」
「あの後、僕たち瑤の身体一度も見てないんだけど、まさか、失敗したとか言わないよね?」「…」
「あなたが、誰かを犠牲にする方じゃないってのはこの中で、俺が一番知ってる。他の天人の身体に瑤の魂魄を入れるってのは、元の身体に戻すってことじゃないんですか?」「…」
「答えて…ください。伯父上。私は、もう誰も犠牲にしたくはないんです」
天帝は、はぁと一つ息を吐いた後、「分かった。だが明日だ。どちらにしろ今日はもう無理だ。明日、朝一番に私の執務室に来い」と答えた。
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