第3話 依頼を受けたよ
昨日はギルドが騒がしくなったので宿に戻ったキミヒト。
翌日に再び冒険者ギルドへ向かい依頼を探しに行く。
「今日こそ依頼を探して稼ぐか」
宿を出発して冒険者ギルドに向かう。
そして依頼ボードの前に立ちFランクの内容を見る。
周囲が少し騒がしくなる。昨日の事件を覚えている者がいるためだ。
「おい、狂犬が来たぜ。」
「アイツ、ちょっとヤベーよな。」
Fランクの妥当な依頼を見つけた。
【ゴブリンの討伐】か。近くの草原に出没するみたい。
「はぁ… ゴブリン討伐か。何もしないよりマシか。」
「ああん?討伐証明に右耳を持って来いだ?」
「チッ… 袋でも買っていくか。」
依頼書を取り、ギルドカードと依頼書をカウンターに提出した。
これは常時依頼のため依頼書の提出は不要と言われた。
ギルドを出たキミヒトは道具屋に寄り、店員にマジックバッグの有無を訪ねる。
「すみませーん」
「はい。いらっしゃいませ。」
「マジックバッグってありますか?」
「はい。在庫がございます。」
「いくらするんですか?」
「一番安い物で金貨10枚です。高い物は金貨500枚です。」
「一番安いマジックバッグってどんな感じなんですか?」
キミヒトはバッグの効果を確認した。
時間停止は無く、重量軽減は1/10程度、収納は100倍だった。
「わかりました。それを下さい。」
「はい。ありがとうございます。」
バッグを買ったので、早速ゴブリンの討伐に向かった。
壁門の兵士に声を掛け、念のため出現場所を確認する。
「すみません。草原のゴブリンって、どこが多く出没しますか?」
(ん?こんな子は街にいたっけな?)
「君はゴブリンを倒しに行くのかい?」
キミヒトはギルドカードを兵士に見せる。
(新人の冒険者か。いつのまに街に来たんだ?)
「向こうの草が深い辺りがよく出るよ。気をつけてね。」
「ゴブリンは集団になると厄介だからね。」
「はい。ありがとうございます。」
壁門を出たキミヒトは街道を歩き、草原のポイントまで進む。
途中で1匹、ゴブリンと遭遇した。
ゴギャァァ!
「グシャ… 」
パンチ一撃でゴブリンが即死する。
ナイフが無かったので右耳を引き千切る。
ブチッ ブチブチィィ…
「うわ、きったねー。」
「これを何匹も繰り返すのか、鬱になるな。」
草原のポイントに着くまで。10匹ほどのゴブリンを倒し耳を千切った。
ふと辺りを見ると、血の臭いに誘われたのかコボルトとゴブリンが集団で出現した。
「ゴブリンは右耳って確認したけど、コボルトは確認して無いな。」
「首ごと持って帰るか」
全てのゴブリンを殴殺し、コボルトも殴殺する。
ゴブリンの耳を千切り、コボルトの首を引き千切った。
「うぇぇ。きもっ。くさっ。」
素手での解体は無理があった。
キミヒトはナイフを購入することにした。
街に戻って冒険者ギルドの納品カウンターに向かう。
「すみませーん。」
「はい。達成報告ですか?」
「はい。ゴブリンとコボルトになります。」
「ゴブリンは右耳を確認してたのですが、コボルトが分からないので生首を持ってきました。」
「え!? ああ。ではどうぞ。」
僕はゴブリンの耳を40個とコボルトの生首を20個並べた。
「ひぃぃっ。骨が…」
納品職員がコボルトの血まみれの生首に驚く。
「すいません。道具が無くて引き千切って持ってきました。」
「あ、ああ…、確認したよ。これは処分してもいいかい?」
「はい。お願いします。」
討伐報酬はゴブリンが銀貨40枚、コボルトが銀貨20枚だった。
「チッ…ショボイな。これっぽっちか。」
僕は冒険者ギルドを出て、今度は武器屋に向かった。
「すみません。」
「へい。らっしゃい。」
「金貨6枚ぐらいで買える剣は無いですか?」
「その予算だと、そのセール品から探しな。」
武器屋の店主は樽に雑然と入った剣を片っ端から鑑定をした。
片手剣D★☆☆☆☆
片手剣D★☆☆☆☆
片手剣B★★★☆☆
片手剣D★☆☆☆☆
鑑定をしたら、ひとつ良い片手剣を見つけた。
「すみません。この片手剣下さい。」
「金貨6枚だ。」
僕は金貨を払って片手剣Bを手に入れた。
これで討伐証明の処理が楽になるぞ。
ステータス的に死ぬことは無いし、防具は要らないな。
冒険者ギルドに戻って、この周辺に出没するモンスターの
討伐証明部位の確認に行った。
ゴブリンは右耳 コボルトは牙 オークは鼻 オーガは角
キラービーは針 キラーアントは腹部甲殻
これでモンスターを倒しても首ごと持って帰らなくて大丈夫だ。
再び草原に出た。
神様からチートを貰ったおかげで凄く速く走れる。
速い。もうゴブリンのポイントまで着いた。
「よし。狩りつくすか。」
逃げ惑うゴブリンや怯えるコボルト沢山倒した。
ゴブリンは首ちょんぱをして耳を切る。
コボルトも首ちょんぱをして牙を折る。
簡単なお仕事です♪
100匹は殺したと思う。長剣の切れ味は凄く良い。
ファイヤの魔法も試してみた。
草原が燃えたけどいいよね?そのうち消えるでしょ。
冒険者ギルドに帰り、達成報告をして金貨10枚とE級にランクアップした。
なにか外が騒がしい。兵士や人々が走り回ってる。
「おい。壁外の草原が火事だ!急げ!」
「この火、消えないぞ! 誰か水魔法で消してくれ!」
「誰か手の空いている奴はいないか?」
火事が発生しているみたいだ。そこの兵士に声をかけて僕も協力してあげよう。
「どうしたんですか?」
「壁外の草原で大火災が発生している。」
「放水しても消火しないんだ。君は水魔法が使えるか?」
「はい。大丈夫です。」
「助かる。一緒に来てくれ。」
僕は兵士と一緒に草原に向かった。
沢山の人が消火活動をしている。
冒険者の人たちが水魔法を放ち、延焼を防いでいる。
「大変だ!僕も協力します!」
「最大魔力を込めて水魔法を放ちますので下がってください。」
沢山の魔力を込めてウォーターを発動させた。
圧倒的な水力の前に火災は為す術もなく鎮火した。
「おおお!狂犬の野郎すげぇじゃねえか!」
「君、ありがとう。本当に助かったよ。」
隊長と思われる兵士が感謝を述べてきた。
「いえ。僕も街にお世話になってます。協力は当然の義務です。」
街に戻ると警備隊から協力の報酬が出ると伝えられた。
領主の館に呼ばれ、金貨100枚の協力報酬と感謝を述べられた。
「僕のような若輩者がお役に立てて何よりです。」
そして冒険者ギルドから特別任務達成として飛び級のC級ランクアップが認められた。
"狂犬"の二つ名から"水撃"へと二つ名が変わったのであった。
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