パーティー加入希望者

俺達の婚約と赤竜討伐のおかげで パーティー加入希望者がぞくぞくと訪れ

ちょっと鬱陶しい

チェンズの三人の誰かと摸擬戦をして 勝ったら一次面接合格という事にして

俺は最終面談のみ行う

それとは別に「お前なんかが 勇者様の従者 否 婚約者など 烏滸がましい」と言って 俺に決闘を申し込む馬鹿もいてなかなか大変だ もちろん瞬殺したけど

「私の為に決闘だなんて!!」とノエルさんは少し嬉しそうだ

今回 最終面談まできたのは四人だが 一人目はあまりにも野心家で二人目は名を上げるための踏み台としか考えておらず不合格

三人目はここで伸し上りパーティーリーダーを狙ってるようだ それにノエルさんがキレて不合格「シリウスがリーダーではないシリウス旅団なぞありえん」と叩き出してしまった

四人目は剣士でなんとハイジ達三人を一度に相手して勝ったそうだ 加入動機も「いろいろな所で困っている人々を助けて回る姿に感銘し 自分もその一員になりたい]

と思ったそうだ 名をチェルシーさん 女性で元はある国の騎士団にいたそうだが 騎士団の在り方に疑問を持ち出奔し いろんな街や村でシリウス旅団の噂を聞いて 聖王国に来たそうだ

「ちなみに獣人とか取り替え子とかに偏見はありますか?」最後に質問してみた

「これで不合格になるなら仕方ありませんが 私は取り替え子なんです それを見返したくて 騎士団で頑張ってきました」俯いて小声で話す

「合格です 貴女をシリウス旅団は歓迎します」そう言って手を差し伸べると

俺の手を取って涙ぐみながら握り返し「よろしくお願いします」とだけ言った

暫くはチェンズの三人と一緒に頑張ってもらおう


俺が従者と名乗っているので 従者希望も何人か来た 彼 彼女らは戦闘は出来ないが 勇者の身の回りのお世話は出来ますと言い張る

俺も含めて希望者にお茶を淹れてもらい 俺のより美味かったら考えると言い

誰が淹れたのか分からないように紅茶を並べる

ノエルさんが一番美味いと言った紅茶を淹れた者が合格にしようと思っていたが 何度やっても 俺の紅茶が一番美味いと選ぶ  なんか嬉しい


現在 チェルシーさん以外はAランクなのでチェルシーさんのランク上げついでに未踏破のダンジョンにチェンズは挑む事にしたらしい

一月ほど四人で旅に出るのを見送り 俺はギルドで魔神の出現が確認されていないか問い合わせる

魔神の報告は無いが 氷竜の目撃談が出ていると言われ ノエルさんと二人で討伐すると またハイジ達がむくれるよな?などと考え まだ直接的な被害が出ていないようなので 彼女達が帰って来たら 討伐に向かうかな

暫く ハイジ達が帰るまで暇かなと思っていたが ある日ギルドから使者がきた

ノエルさんと尋ねてみると「お忙しい所申し訳ございません 実は北の森で結界境界線の辺りで狂熊の目撃情報がありまして 今は三聖女もいませんし シリウス旅団加入希望者でパーティーを組んで討伐に向かったのですが失敗してしまいまして 何卒 シリウス旅団で対処をお願い出来ませんでしょうか?」と言われ ノエルさん 母ちゃん 父ちゃんの四人で討伐に行く事になった

境界線の森に入るとそこかしこに縄張りを示す爪痕が木々に刻まれている

母ちゃん 父ちゃん ノエルさんと俺に別れて 狂熊を探し討伐する

半日もかからず 身体を返り血で真っ赤にした母ちゃん 父ちゃんと合流するが俺達二人で五匹しか狩っていないのに 母ちゃん父ちゃんはあわせて十二匹狩っていた

俺達の分の五匹も母ちゃんの次元収納に入れて森を出ると 新たなパーティー加入希望者パーティーがいたので残りを任せる

一次面接で落ちたとはいえ 加入希望するぐらいだから ある程度の力はあるのだろう?あるよな? 全滅するぐらいなら逃げるように一言アドバイスしておく

狂熊をギルドに売った後ささやかな慰労会をしようとコルテの店に赴く途中 

「貴様がシリウスだな!!」高そうな装備をした金髪イケメンに呼び止められ

「勝負しろ 俺が勝ったらノエルさんとの婚約を解消しろ!!」叫びながら 俺に突進してくる なんだ?と思いつつ軽く剣を躱し そのまま脇腹に拳を叩き込む

「グフッ」短く呻いて地べたに這いつくばる金髪 それを見てノエルさんが

「アランじゃないか?」と言いながら介抱をするわけでもなく ただジッと金髪を見ている

「知り合いなの?」俺が聞くと

「前に結婚を申し込んできたが 断った奴だ」冷めた目で見て

「貴様 私の未来の旦那様に対して いい度胸だな!?」剣を抜きながら言う

「ヒッ!!」腰を抜かしたのか後ろに這いずりながらノエルさんと距離を取ろうとする 「結局 摸擬戦で一度も私に勝てなかったから 今度はシリウス狙いか?」

物凄い笑みを浮かべて金髪の喉元に剣先を突きつける

「す すいませんでした!!」土下座して俺とノエルさんに泣きながら詫びをいれる

「まあまあ こんなのもういいじゃないか」俺が言うと

「むう シリウスがそう言うなら アラン今回は見逃してやる 次は無いぞ」

剣を納めながらノエルさんが言い放つ

「ヒイイッ 御無礼しました!!」アランは金髪を振り乱しながら走って行った

 

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