第145話 歴史は繰り返す?2 §
ここはヒメルヴアールハイト内にあるとある建物。
黒を基調とした部屋の中。
その部屋の中にある机の上には広げたままの地図がある。
地図にはいくつかの×印が付いている。
その印はこの屋敷の主が制圧していった場所――そしていずれはこの地図すべてに×印が付く。
――予定だったのだが。
それが乱暴に消されているところがあった。
今のところは一部地域のみなのだが。一度は制圧したはずの土地の×印が消されている。
制圧したはずの×印が消える。
つまりそれは奪い返されたということ。
少し前まではご機嫌に地図を眺めつつ。行く末を見ていたこの家の家主の姿は今はこの場になかった。
突然のことに自分の目で確認をするためにこの地を出たところなのだ。
この家の家主の行先というのは――。
これは悠宇たちから見えれば遠く。それはそれは遠く。
今すぐ何か起こるというわけではないが――遠くの遠く。それはそれは遠いところで何かが少しずつ動いているのだったが――。
今のところ悠宇たちにはまだ大きく関わることはない事。
それより悠宇たちは悠宇たちで――まあ始まったばかりなのである。
「――失礼します。メア様に――あれ?」
もぬけの殻になっていた部屋へと誰かがやって来たみたいだが。
そのやって来たものは数回瞬きをして。あたりを見回し困った顔をするのだったが――それは誰も知らない事である。
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