第112話 時は早い
海楓家に来た悠宇たちはその後海楓の部屋で雑談をしていた。
そして、話していると時間はあっという間に過ぎていくもので――気が付けば外が暗くなっていた。
「はぁ……もうって――あれ?もう夜?いつの間に――」
初めに気が付いたのはちかだった。ふと窓の方を見たちかが少し驚きの声をあげると、悠宇たちも時間を確認するのだった。
ちなみにちか呆れた様子なのは――まああれである。
あれからというもの。シェアトが楽しそうにいろいろな話をするので、はじめこそちかがシェアトが悠宇に近寄らないように――だったが。気が付けばちかは抱き枕のようにシェアトに捕まり。そして気が付けば悠宇に絡みつくシェアト。それを引き剝がそうとするちか。という構図が完成していたからだ。
ちかはそれによって少しお疲れである。
でもまあ簡単に言えば楽しくワイワイと?雑談をしていた悠宇たちである。
シェアトもすっかり3人の中に馴染んでいる。自分がどんな立場だったかなどすっかり忘れていたりする。
「っか、普通に雑談していたけどさ。シェアトは――このまま海楓のところでOKなわけ?」
「私はいいよー」
「私も海楓の家すごく寛げるから」
「――なら、とりあえず――まあもう夜だし。今日は海楓に任せて俺は変えるか」
「えっ。悠宇帰るの!?」
悠宇がたちがあると、少し悲鳴に近い声をシェアトが出した。どうやらシェアトは皆一緒――。
「私もそろそろ帰ろうかな」
「そうなの?じゃ、ちかまた」
「なんか私に対する扱いと悠宇先輩に対する扱いが違うんだけど!?」
ではなかった。
シェアトは悠宇と別れるのが嫌なだけだった。
ちなみにここ数時間?の雑談により、シェアトは特に説明がなくとも。ちかは悠宇が気になっている。というかめっちゃ好きというのは理解した――したが。自分が婚約者というのは譲る気がなかった。
まあそもそも悠宇が全く関わらない中でいろいろ決められていたりするのだが――これはしばらく揉めそうな様子である。
「だって、私は悠宇と一緒に居るべきでしょ」
「いや――別に。うん。っか、俺の家だと横にすらまともになれないし」
「――なんで悠宇はそんなところに住んでるの?」
「「でしょ」」
シェアトの疑問に海楓とちかが声をそろえる。
「――なんか悪かったな。って、思った以上にのんびりしたというか。マジで帰るわ」
「えー、って悠宇とちかちゃんご飯は?」
「あー、なんかいろいろ食ったというか」
「ですよね。お昼しっかり食べて、そこまで――なので。帰ってパパっと1人で食べようかと」
ちなみに雑談をしながらお菓子も食べていた4人『そりゃ――お腹空かないよな』である。ちなみに、ちかの理由は『絶対食べすぎてるから、今日はこれ以上食べないでおこう』であったりする。
海楓とシェアトは今のところどうなのか不明だが――。
とにかく悠宇とちかは立ち上がり帰る準備を始めた。
そんな2人を見つつシェアトは――。
「動きたいけど――もうなんかこのまま寝たい気分」
なんやかんやでここ最近いろいろあったシェアトは海楓の部屋にて寛いだら。もう動けない身体になったらしく。動く気配はなかった。
ということで、そのあと悠宇とちかは海楓の家を後にすることになった。
「――じゃ、悠宇たち帰っちゃったし。私たちは私たちでご飯にする?私作るよ」
「おお、海楓の料理!すごい気になる!」
なお、悠宇とちかが海楓の家を出た後すぐに後ろからそんな声が聞こえてきたりしていたのだった。
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