第4話 殿下、闇での眠りから冷める

殿下は、よっぽど嬉しかったのか、泣き出していた。

「殿下...どういたしましたか?私何か傷つくことを言ってしまいましたか?申し訳ありません。」

と殿下の執事は、殿下に話しかけると。

「ちっ違うんだ......。僕は...うっ...ぐっ.......。嬉しかったんだ...。僕を理解してくれる人は今まで、僕の執事だけだったんだ...。だから、嬉しかったんだ、君が僕を理解してくれたのが.......」

私は優しい声で彼にいった

「うん、そうだよね。実はね、私もそうだったので殿下のお気持ちよくわかります...。」

殿下はバッと顔を上げ、

「えっ......。」

「まあ、そう見えないかもしれないけど、私には貴方の気持ちがわかります。私は、今からでもいい、死んでしまいたいという思いがありました。ですが、その時にこの世界に転生して、私は気持ちの持って行き方を変えることができたのです。」

と少し恥ずかしいけど言った方がいいと私は思った。彼が、生活の中でどれくらいのメンタルダメージを受けているかはある程度予想つく。

だから、責めて…責めて一人だけでも味方がいることを知って欲しい

「なので、殿下一人で抱え込まなくても理解してくれる人がこの世界に一人以上いることを忘れているのを忘れないでください。そして、いつでもお手伝い致します。」

殿下は新たな扉が開くかのように目を見開いた。

*****

「まあ、そう見えないかもしれないけど、私には貴方の気持ちがわかります。私は、今からでもいい、死んでしまいたいという思いがありました。ですが、その時にこの世界に転生して、私は気持ちの持って行き方を変えることができたのです。」

僕は、この言葉を聞いて驚いた。

正直彼女には理解してもらえるとは思わなかった。僕の状態が理解できない奴はたいてい、そんなことをしそうな親にはどう考えても見えないというのだ。

最初は、僕のため…僕のため…と言っていた。―でもある日のことだ。

「ふざけるなぁぁあ!!お前は父親をそんなに試して面白いか?なぜ真面目にヴァイオリンを弾けない?!」

僕は何を言えばいいの?何を言えば正解なの?

とりあえず...

「お父様、ごっごごごめんなさい。だけど僕は...」

「ごめんなさいというなら早く真面目に弾け!!!」

僕の話なんて聞こうとしていない。

僕の頭は、パニックと怒りと恐怖でいっぱいだった。そもそも、父親も母親もヴァイオリンなんてやったことがない。だから尚更、簡単に言わないで欲しい。「そういうなら、お前がやってみろよ!!」と思うし、すごく集中力使うから一人にして欲しいのに...

「ほら、早く弾けって言ってんだよ!!」

ハッ

しまった。頭に色々なことが横切り過ぎて反応に遅れてしまう!!

気付いたときには、父親は今にも思いっきり僕を蹴っ飛ばそうとしていた。

「ウガッッ!」

気付くのが遅すぎて急所を避けることが出来なかった…

「ウガッッ!じゃねぇよ、早くやれよクズが!!」

ドカッ

「ウグッ!」

くそっ、早くどうにかしなければ...

ドカッ、ドスッ、

今度は腹を蹴り始めた。

くそっくそっ、早く立たなければ。

そして、父親の方に顔を向けると思わず、驚いた。

「クックックッ」

と小さな声で笑って。怒っている顔ではなく、まるで楽しんでいるかのように。

「今日はあのクソ大臣の相手でイライラしてるんだよ!だから、グズグズしてないで早くしろ!

アハハ!!...ほら、早くしろ!」

どうにかして立ち上がった瞬間蹴られた。

僕はショックだった。僕のためと言っていた父は居なく、自分の溜まったストレスを発散させる道具に過ぎなかったとしか言いようのない光景だった。

彼女も同じ目にあったのだろうか。僕は、このままじゃいつも道理の結果が出るだけだ。でもどうすれば...

「なので、殿下一人で抱え込まなくても理解してくれる人がこの世界に一人以上いることを忘れているのを忘れないでください。そして、いつでもお手伝い致します。」

そうだ!!これだ!僕は今の状態を変えられるかもしれないチャンスが目の前にあるじゃないか。よし、本気でこの人について行ってみよう。

すると、僕のバイオリンが現れ輝き始めた。

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