第18話 動き始める予感

康輔が家を出る数時間前、とあるアジトでは。


「Bがやられただって⁉︎」

1人の男が大声を出す。

「嘘でしょ....」

女は呆然となっている。

「でもBは弱かったし....」

「それでもランクBだぞ⁉︎」

「落ち着け、Z、Y、U。Bのことはしょうがない。対策を考えるぞ」

リーダーの男が宥めると彼らは黙った。

「......対策.....あ!Bが戦いに行く前に言ってたんだけど、万が一負けたら、その時は、力尽きる前に奴の情報は残す.....って言ってたから、もしかしたらあるかも」

Zがそう言った。

「でかしたZ!」

Uはそう言うと、Bのパソコンを見る。

「......あった」

そこには、Bが添付したであろうファイルがあった。


タイトル

<魔法は本当にあった>


私も時間がないため、手短に話す。

現状、今引きずられながら警察のとこまで運ばれ中だ。

戦いは.....あまりにもあっけなかったと言わざるを得ない。

私は弱すぎた。自身の力を疑うほどに。

奴は、様々な力があった。治癒、光を使ってきた。

Aランクというのはこの世界では必ず公に公開されなきゃいけないはずだから、あいつはAランクってのは絶対にない。しかし、Cランクはもっとない。能力者だとしたらBランクだろう。

しかし、奴は能力の強さによる身体強化がBの比じゃなかった。

しかし、奴は身体強化系ではない。身体強化系の能力者なら治癒なんて、できないからな。

奴は言った。能力ではなく魔法だと。

本当に魔法なのかもしれない。あいつは、魔法使い......いやあいつは魔女だ。

少なくとも、私達にとっては魔女だ。私達に害を及ぼしかねん。


相手が本当に魔女だった場合、能力を複数持っているのと同じだと思われる。

お前らの能力も無効化される可能性がある。

だからあんいにちかずくな



「最後の文章は変換されていないね。ギリギリだったのかも」

Zはそう言った。

「なんにせよ、我々の目的を遂行しつつ、Bも助ける方針で行くぞ」

「ええ」

「ああ」

「そうね」

「それに例の男.....魔女をなんとかせねばならん」


その中で、Uが声を上げる。

「俺、俺がやりますよ」

「できるの〜?」

ZがUに野次を飛ばす。

「ああ。人は、大切なものが目の前で死ねば廃人になる。魔女だろうがなんだろうが、人である限りね」

「そういうのはあんたの専門だものね」


この後、Uは後悔した。


誰を狙ったのか分かっていなかった———と。

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