何の脈略も無い短編集
水鏡 ユキ
[言葉はいらない、ただ・・・]暴力描写あり
先日姉が自殺した。
朝起こると何時も自分より早く起きている姉がリビングに居なかった。珍しく寝坊でもしているのかと思って、朝食を食べた。食べ終わってもなかなか起きてこないので、流石にもう起きなければ学校に間に合わないと思って姉の部屋へと行った。ノックをしても返事がない、もう学校に行ったのかとも思ったが、なんだか嫌な予感がした。抽象的すぎるかもしれないが、なんというか頭の中に半透明のどす黒い何かがおおっているかのような感覚がした。
「入るよ」と言って中に入った瞬間、嘔吐してしまった。中では姉が首を吊って自殺していた。姉を見て吐くとは、と自己嫌悪に襲われた。後に大人たちから仕方がないことだと言われたが、それでも両親のいない中で明るく、家族の温もりというのを感じさせてくれた姉を見て吐いた自分がどうしても許せなかった。そういう事も姉はわかっていたのだろう、僕には一切弱みを見せたことがなかった。それが姉の重圧になっていたのでは無いかと今になっては思う。机の上に置かれていた遺書にはただ一言
『ごめんね。』
と書かれていた。
後の調査で姉は学校でいじめられていたことが分かった。
言葉はいらない、ただ何かしらサインを出してくれれば、SOSを出してくれれば何か助けてあげれたかも知れないのにという気持ちと、知って僕に何ができるんだという気持ちで板挟みになっている僕はどう生きれば良いのだろう。
どうすれば良かったのだろう。
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[あとがき]
初めまして!水鏡ユキです!
初手から暗くてすみません。
次はラブコメになります!
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