第16話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 アミを会議室に呼んだ柾國まさくに


 例のひよ子との写真について

 きちんと弁明する為に


「話があるから…

 今晩、アミの部屋に行く」


「申し訳ありません…

 今晩、予定が入りました…

 あ!帰りはになるかと…」


アイツの誘いは断れって言ったよな?」


「はぁ?‎(꒪⌓꒪ ).......

 他のオンナとホテル行って

 キスしてる人に言われたくないです!!

 失礼します!!」

 スタスタ((((((*`□´*)



 バタンっ…



 アミは出て行った…



「はぁ…(。´-д-)…めちゃくちゃ怒ってる」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 何も言えないまま、会議室を出た

 早く誤解を解かないと…



 事務所に戻れば

「部長〜ぉ♡何かお手伝いすること

 ありませんかぁ〜.。゚+.(*'o'*)゚+.゚」


 勘弁してくれよ…もう……


「ないよ!…おい、誰か!

 ひよ子に仕事回してやって!」


 そう言って、ひよ子から離れた



「……(*`н´*)」


 ふくれっ面ひよ子が アミを見ている


『……はぁ?こっち見んなし!( *¯ ³¯*)』



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 その日の夜

 てつと食事に行ったアミ


 注文したものが並べられ

 食べ始めた時


「日中、部長のことで泣いてたんだろ…?」


 哲がアミの方を見ないで言った…



 ── 今、言わないと



「私ね…部長とお付き合いしてる…」


 哲からの問いに

 なんの迷いもなく答えた


「………」


「付き合ってまだ、

 日は浅いんだけど…ね…」


「そう…なんだ…」


「毎日怒られて 転職まで考えたし

 顔も見たくなかった人なのに…

 あんなに嫌いだったのに……(´▽`*)アハハ…」


「アミと付き合ってるのに

 ひよ子とキスしてたんだぞっ!」


「ハハッ…そうなんだよね〜」


 だけど まさくんは…

 会社では偉そうだけど

 意外と優しくて、

 笑顔も素敵で…


「…それでも…好きなの」


 自分でも こんなに好きになるなんて

 想像すらしてなかった


「まさくんのこと

 大好きなんだよねぇ…」



 悔しいけど…

 私の気持ちは 決まっているみたいだ…



「……そっか」


「ごめんね……」


「はぁ…(。´-д-)

 また振られたの?俺…

 同じ人に2回も振られるって

 ある意味凄くない?(´∇`;)ハハッ」


「そ、それは…」


「まぁ…2人見てたら、なんとなく

 そうなのかな?って思ってた…

 ……そっか、わかったよ」


 …哲は、ひよ子と

 手を組んでいることは伏せ


「…一度 ゆっくり

 話し合った方が良いんじゃない?

 アミの方が誤解してるってことも

 あるかもよ?」



「でも、……」


 ……誤解


 朝帰りの日…

 はっきり ひよ子と

 ヤってないと言った…


「………」


「俺が 事務所で

 アミをメシに誘った時…

 部長あの人に呼び出されてたけど

 何か言われたの?」



「今晩、私の部屋に行くって…」



 哲が、頬杖付きながら言った


「真面目そうだからなぁ〜あの人…

 今頃、アミのこと…

 待ってるんじゃない?」



 まさくんは…待ってるのかな…



「哲さん……私…っ…」



「とりあえず、その呼び方…やめて…

 今までみたいに

 てっちゃんって呼んで欲しい…

 ほら、ダチっぽくていいだろ?((´∀`*))」



「…てっちゃん」


「行っておいで!

 こっちのことは気にしなくていいから…」



「ありがとう…」


 お礼を言って自宅へと急いだ



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 その頃、柾國まさくには…

 帰って来るのかもわからないアミを

 マンション前で待っていた


 『会って、もう一度しっかり謝りたい…

 許してくれるかわからないけど』



 ブーッ、ブーッ…

 スマホが震え、画面を覗く



 *・゚・*:.。.*.。.:



 逸る気持ちを押さえながら

 柾國に電話をした



「…今、どこにいるの?」



 *・゚・*:.。.*.。.:



「アミの…マンションの前にいる」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 マンション前に着くと

 壁にもたれて 空を仰いでいる

 柾國を見つけた



「…待たせてごめん!!!!」


「いや、……」

 気まずい空気が流れた



「とりあえず、部屋に入ろうか…ね!」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 部屋に入って

 2人並んでソファーに座ったけど

 しばらく沈黙が続いた…



「………」


「…………」


 先に柾國まさくにが口を開いた


「……飲み会の日は

 ひよ子が 飲みすぎて具合悪いというから

 休ませるためにホテルに入った…」


「………」


「あの写真は…

 俺が その部屋のソファーで

 うたた寝したところで…

 撮られたものだと思う…

 …写真を見るまでは

 あんなの撮られてるなんて知らなかった」


 ゆっくりと…

 たまに ため息を吐きながら

 まさくんは 話している


「ひよ子とは、本当に何も無いから…

 信じて欲しい……ごめん…」


 私の方を見て

 申し訳なさそうに謝った


 嘘をついて浮気をするほどの器用さは

 無いだろう…これも優しさゆえ…


 でも、すごく嫌だった…


 前にBARで 私が

 じんにキスされてるのを

 見てしまった まさくんも…

 疑って、不安になった今の私と

 同じ想いをしてたのかな?


 そう考えたら

 彼だけを責めるのは違うと思った



「私の方こそ…

 信じなくてごめんなさい…(* . .)))」



 ぺこりと頭を下げ、柾國を見上げると

 あの上司おにの形相で片眉を上げ


「それで?…アイツと どこ行ってた?」


「え?…ご飯ですけど…」


「断れって言ったよなっ!!!!」


「ちょっとっ!話すり替えないでよっ!

 この、鬼がっ!!!!(メ`ロ´)/ 。。。」



「……ぷッ(´▽`*)アハハ 何だか懐かしいな…」



 ギュッ…

 笑ったかと思えば 私を抱きしめて

「ごめんな、アミ……ホントにごめん…」


 そして

「あからさまには出来ないけど

 ひよ子との距離も考えるから…」



 まさくんの香り…

 優しく抱きしめてくれる

 この腕の温かさ…

 まさくんの背中に腕を回した


 鼻の奥がツーンとなったけど

「はいはい…」

 …少し強がってみる



「ねぇ、腹減った…何か作って……」



「私は お腹いっぱいなんだよなぁ~

 あ、その辺にカップ麺が

 転がってるはず!」



「マジか…転がってるカップ麺を

 俺に食わすの?」



 2人で大笑いしたあと

 ひよ子とキスした記憶が消えるように

 まさくんの唇に何度も上書きをした



「謝ったら帰ろうと思ってたけど

 やっぱり泊まっていく…

 こんな状態で帰れないだろ?」


 バズーカ…乱射準備完了(*`・ω・)ゞビシッ!!

 セットON…


「あん♡」


 仲直りの⊂('ω'⊂ )))Σ≡ドピュッシー


 

「アミは俺の許嫁だって…社長に話す…」


「うん…」


 温かい胸板に おでこをつけた


 まさくんの胸板は、私のモノだ!

 o(*≧д≦)o))ゴルァ!!!



「明日、俺の実家に行かない?

 うちの親、アミに会いたがってるんだ」



「うん!行きたい!」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 それは まるで鬼門のよう…


 付き合ってる彼女と別れてしまう

 


 実家に彼女を連れていくと

 何故か その関係はダメになる…

 学生の頃からのトラウマ



 アミと付き合い始めてから

 2人で顔を見せに来なさいと

 再三 連絡が来ていたが

 俺が連れていくのを拒んでいた



 アミは許嫁…

 そんなトラウマ、払拭してやる


 俺たちは 大丈夫…

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