第9話母と金木犀

年老いた母の手を引き 帰る道

  こぼれる笑顔と金木犀



金木犀 甘い香りに 誘われて

  母の笑顔は 童女に戻る





年老いて足腰が弱った母。

幼いころは母に手を引かれ歩いていたのに、現在は、わたしが手を引いて補助をしないと歩けなくなりました。


今年は暑さで開花が遅れた金木犀。それでも一斉に花を咲かせ、芳しい甘い香りを漂わせています。

ふわりと風に乗る強い香りの先には、葉陰から顔を出す、小さな花がいっぱい群れたオレンジ色の房。見つけて、母は子供のように喜んでいました。

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