Magi Call~亡き師が遺した魔法を使ったら神の娘が婚約者に!?~
@asashinjam
神との交信、そして婚約
産まれてから今まで
人間は
我が師にして育ての親である『エズダゴル』の言葉である。
ボクの生まれは何処だか分からない調べるば分かるだろうが
一切興味が無い、 恐らくは何処かの辺境の村だろう。
産まれてから5年位の記憶はあまり無い。
毎日農作業をしていた、 と思う。
後で知ったがそれはおかしい事らしい。
ボクの両親が何故幼い子供に毎日農作業を強いていたかは興味が無い。
だが誰も何も言わなかったし助けようともどうかしようともしなかった。
師である『エズダゴル』だけは激怒してボクを連れ出したらしい。
役所で手続きを即日で行い養子にした聞く。
師はボクが言うのも何だが貧相な風体でみすぼらしいが
辺境に居るのが可笑しい位の立派な魔法使いだ。
因みにボクが8歳位に
父親は酒場で酔って喧嘩してそれが原因で死んで
母親は旅の男と一緒に何処かに去って行ったらしい。
その時に故郷に葬式に帰った。
それ以降、 故郷には戻っていない。
師は『あの場所は子供に重労働させても何も言わない様な連中の集まりだ
行く必要はない』と釘を刺した。
師はボクに教育を与えた。
文字の読み書きや魔法、 そして運動。
体を鍛えると言う事はとても大事な事だ。
体が貧弱な魔法使いは控えめに言って役に立たない
普通に言って邪魔である。
戦いの場に置いて貧弱な男は居る意義は無い。
そして日常生活においても運動をしないと貧弱になる。
師が貧相なのは運動を軽視していたからであった。
また師と共に師が作った薬等の商売も手伝った。
本来、 師とボクが育てている菜園で喰うには困らないが
ボクが人とのコミュニケーションが取れる様にと言う気遣いである。
『人は人なのだから人間社会に生きねばならない
そして人間社会で生きるのに必要なのはコミュニケーションである』
とても村はずれで暮らしている男とは思えない言葉だった。
ボクが15歳の頃に師はとうとう床に臥すのだった。
今際の際に師は語った。
「我が弟子よ
ワシはもう
「師匠、 医者を」
「いや、 良い、 ワシはこのままで良いのだ
だが最期に二つ、 いや三つ語る事がある」
「・・・・・はい」
ボクは集中するのだった。
「ワシの書庫の鍵じゃ」
そう言って奇妙な形の金属片をボクに渡す師。
「書庫には【神との交信儀式】の書が有る」
「!?」
ボクは驚愕した、 神との交信、 なんと大それた事だろうか。
「この儀式を何としてでも成功させてほしい
だがワシの師、 つまりお前の大師匠はやり方を間違えた
我等が【神】は穢れを許さぬ、 穢れた手段
つまり犯罪や人様に言えぬ方法で得た手段で儀式をしてはならぬ
ワシの師はそれだけを言い残しで目の前で虚空に喰われた・・・」
涙を流す師。
「良いか、 ちゃんとした手段で儀式の準備をするのだ
ワシの様な真っ当な事で金を得られない男になるなよ」
「分かりました・・・」
「第二にちゃんと学校に通え、 真っ当に金を稼ぐには学歴が必要だ
学歴が無くても稼げるのは一部の天才・・・お前にも人並み以上の才は有るが
それでもあった方が良い、 学校での過ごし方も調べ上げるのだ・・・
この紹介状を王都の【逆巻】と言う屋号の魔術師に渡せ
良い学校を紹介してくれるだろう」
「はい・・・・・」
「最後に・・・」
ズバスバと物を言う師が黙り込む。
「ワシはお前の良き・・・・・師、 で有れたか?」
「はい!! 勿論です!! お師匠様!! 恩を返せず申し訳ありません!!」
ボクは涙を流した。
「・・・・・嘗てのワシは・・・力さえ、 魔法さえ有れば良いと思っていた
しかしそうでは無かったのだ、 魔法を幾ら覚えても
強き魔力を持っていても、 己一人では何の意味も無かったのだ
だがワシの全てをお前に託せた、 これでワシの人生にも意味は出来た・・・
・・・お前も何時か死ぬだろう、 世界は何時か滅ぶだろう
宇宙すらも消える時が来る、 だからと言って歩みを止めるな
何が意味を持つか、 分からんでな・・・・・」
「師匠おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
こうして老魔法使い『エズダゴル』は逝去したのだった。
ボクはこの後、 師の葬儀を終えて王都に向かい
【逆巻】卿へ師の紹介状を渡した。
【逆巻】卿は王国最高学府の【白右学園】へ紹介状を書いて下さり
ボクは【白右学園】へ入学する事が出来た。
それから【逆巻】卿は目上の魔法使いには敬称として卿を付ける事
学園での身の振り方や単位取得や過去問と楽な単位の授業が載っている
学生出版サークル出版紙【ワイトストーン】を教えてくれた。
不安だったけれども
1年の頃はフル単位も獲得できて比較的まともに生活出来たのだった。
使っている魔法が【古式】に分類される古い魔法だと揶揄されたが
基本的に変な事はしていないのでちゃんと日常生活は送れていたのだった。
バイトもしてお金を貯められていたし平穏に暮らす事が出来ていた。
あの小娘が来るまでは。
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