第20話 ベルの過去 2 (知らぬ間に)
「ウィッ、え?……大丈夫で~すよ~。ヒック、ここ?ここは、会議室れす!……」
「あー、また、めぐみは、飲ませすぎたな~」
「そんなこと、ないもん……。今日はね、鎌田のおっちゃんが、悪いんだもんね~」
「技師長~ですか?」
「いやあ~、わしは、良かれと思ってだな~、ベルちゃんは、まだストレスが抜けきらんのよー」
鎌田技師は、真面目な顔で、ベルフィールのデータをビデオパネルに映し出した。
斜めに天井がくりぬかれた場所に設置されてる500インチの大画面の液晶は、見ごたえのあるものだ。
そこに彼女のステータスがすべて映し出された。
紺色のパンツスーツが戦闘服で、ボリューム感のある黒髪は、ロングである。
その写真を左に配置し、右側に様々な戦闘能力や防御能力、魔術力、などが表示されている。
「今回は、ここに注目してほしい……この数値だ」
そう言って、鎌田技師は、“食欲”という欄を示した。
「おおおーなんだ、この10000%というのは……」
教頭は、意味も分からず、ただ数字の大きさだけで驚いた。
「これは、通常の食欲を100%とした時の、現状を表す数字だ。どれだけ食べるかという量の問題ではなく、あくまで“欲”の数字なんだ」
「つまり、ベルちゃんの食欲が以上に高いということは、お腹の減り方が異常だということですか?」
「そうなんだ……
ふつうは100%ならOK。
100%以下なら、食欲不振ということ、
高ければ、食べすぎになるということなんだが、この数字は変なんだ
高すぎる……異常だ!」
鎌田技師は、不思議そうに話した。
「このまま放っておいたら、どうなるんですか?」
教頭が訪ねると、
「たぶん、食べすぎて、体を壊すことになるんじゃないかな
…………めぐみは、前の学校で一緒だったことがあると言ってたよな、
その時もこんなに食べてたのか?」
「うーーーん、そう言われれば、
オヤツはよく食べたけど、ご飯の量やオヤツの量は、普通だったわ……
この学校に来て
…………と、言うか、教頭先生のご飯をあんなにたくさん食べるのを見て、
驚いたの……
きっと、それだけおいしいんだろうなあと、思ったんだけど……
それだけじゃなかったってことなの?」
めぐみも、心配そうに、今は眠っているベルを見つめた。
「技師長、何とかならないんですか?」
教頭は、ベルを心配して、鎌田技師にお願いした。
「……とりあえず、ベルちゃんをちょっと調べてみるか?」
そう言って、ベルの体をスキャニング装置に乗せ、全身立体スキャンを実施した。
2分ほどでスキャンが終わり、データがコンピュータに取り込まれ、分析が開始された。
しばらくして、結果がモニターに映し出されると、
鎌田技師が、目を丸くして飛び上がって叫んだ。
「こ、こ、これは、大変だ!急いで、敵をやっつけなければ……ベルちゃんが、危ない!!!」
「「え?え?え?…………どういうこと?」」
いったいベルに何が起こったか?続きは、次回に……
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