第2話 歴代女王の凄さ

どうやら私は、特別な立場らしい。


王女だからだって!?


ノー!


普通、キティルハルムの王子・王女は、特別扱いされない。


第一子のみが、王太子となり、後は結婚するなり職につくなりするのだ。全部!


他国に嫁いだとか、婿養子になったなんて記録もない。


彼らを総称して、「一級貴族」と呼ぶ。


中には、宮廷画家の家系なんかもあるが、王家の仕事が入らないときは一般の仕事もしているらしい。


そう!


私は、王太子様なのだ。


となると・・・


この国の王や女王は、大抵凄い二つ名で呼ばれている。


建国の女王ノワール・・・司書女王。


二代目女王キティルハルム・・・教授女王。


戦乱期の女王ニウ一世・・・火葬パーティーの主催者・・・字・・・間違ってないか?


平和期の女王ニウ二世・・・外交女王。


うーむ・・・壮観だ・・・


あれ・・・?


羅針盤を作った王様や、絵を描いていて、新しい絵の具を作った女王様までいるぞ。


なんだこりゃ・・・


この、ノワール女王の生まれ変わりのノワール二世という、女傑はすごいけど・・

その娘の、キティ二世ってのが凄い・・・


たくさんの薬や、素材を作って、トラルティールの「総合導師」ライテスにも匹敵する錬金術師なんだけど、特に精力剤を作って常備していた人で、女王補佐官をさんざん絞りとっていたとか・・・


あ・・・女王補佐官ってのは、女王様の婿養子のこと。


そのため、「亭主を搾り続けた絶倫女王」なんて呼ばれたとか・・・


イヤだ・・・


マネしたくない・・・


「総合導師」?


魔導師や錬金術師は、よく聞くけど「総合導師」ってなんだろ?

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