ツンデレ幼馴染と付き合ってから幸せになるまで
高校生のモブA
エピローグ
何かの始まりは、大体はいきなり起こる。
厄災の始まりも、恋の始まりも、そして、一日の始まりも....
「お母さん、なんで起こしてくれなかったの!?」
俺は、そうお母さんに大きな声で尋ねながら、急いで制服に着替える。焦っていると、手元がぶれて、上手くボタンが閉まらない。
「一回起こしに行ったわよ!それで、貴方が『分かった。』って言ったんじゃないの!」
俺がボタンと格闘してるところにさらなる追い打ちがかかる。
(俺、なにしてんだよ!?と、とと、とりあえず、意識をボタンに集中しないと!)
30秒ほどでやっと戦いが終わり、俺は急いで下に降りた。そして、扉を勢いよく開け、隣の家に聞こえるぐらいの声で尋ねた。
「お母さん!真凛はもう来ちゃってる!?」
「あら。来たら悪かったのかしら?」
でも、俺の質問に答えたのは、お母さんではなかった。その声は、小さい頃からずっと聞き続けてきた声で、今、聞こえてくるはずがない声だった。しかも、その声は、俺の後ろから聞こえた。
ガタガタと震えながら、恐る恐る後ろに振り向いた。
そこにはなんと!
かわいらしい俺の幼馴染がいたのでした!
俺は、10年ぐらい整備されてない田舎の道路ぐらいガタガタなっている歯を必死に抑え、なるべく相手を怒らせないよう気をつけて口を開いた。
「おはよう!今日もいい朝だね!」
「死ね!」
そんな俺の素晴らしい努力は、幼馴染の理不尽な腹パンチによって無駄に終わった。
~~~~~~~~~~~~~~~
「貴方ねぇ...もう高校1年になってから、半年が経ってるのよ!?いい加減にしっかりしなさいよ!」
あれから、俺は、幼馴染である神里真凛に、ありがた〜い説教をず〜っと受けながら登校していた。
彼女は、俺に対して、ものすご〜く厳しい。
他の人が課題の提出期限を守らなくても、『次の日でいいですよ。』って、それはそれは素晴らしい笑顔で許しているのに、俺が一日でも過ぎると、学校に残らされて、課題が終わるまで帰らせてくれない。
テストの点数が悪かったら、次のテストまで毎日2時間勉強させられる。受験終わりだから、少しくらいハメ外してもいいはずなのに、真凛はそれを許してくれない。
彼女は俺に対してだけ、冷たすぎるのだ。
普通なら、関わるのが嫌になる。
でも、俺は真凛を嫌う事はない。むしろ、大好きだ。だって...
「すみません。言い返す事ができません。俺のことを嫌いにならないでください。」
「な!?ば、バカね!今更嫌いになるわけないでしょ!もう薫のだらしないところなんてとっくの昔に知ってるんだから!」
「本当?俺のこと嫌いにならない?」
「嫌いにならない!コレでいい!?分かったら、そのシュンとした顔やめなさい!私が悪いみたいになるでしょ!?」
「じゃあ、俺のこと好き?」
「そりゃあ、す....っ!?なに言わせようとするのよ!?このバカ!」
だって彼女は、ただのツンデレなのだから。
コレは、俺、中西薫と、幼馴染である神里真凛が付き合って、それから幸せになるまでの物語である。
ちなみに、俺の腹は、今日の朝だけで、2度の拳隕石直撃を喰らい、致命傷を負ったのだった...
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