俳句 言の葉無重力

花散らし止んでベンチに花斑ら

　花散らし止んでベンチに花斑（まだ）ら

　僕の地元では桜が咲くと、ほぼ例外なく雨が降りまくります。もう、そんなに桜が憎いのか、花見をさせたくないのか？　って思いたくなるぐらい降ります。

　で、この調子だと、雨上がりには桜は散ってしまって見れないかもなあ。なんて毎回思うのですが、桜の花は意外としぶとくて、雨上がりには、まあまあ見頃になっていたりもします。一方で、それなりに花びらが散っており、道路や湖面には薄紅色の花弁が点々と広がっていたりもします。

　僕の自宅前の公園のベンチにも、水滴混じりの花弁が散っておりました。ただそれだけの俳句です。

　季語は「花散らし」です。正しくは「花散らしの雨」を意味します。

　個人的に、春の最も好きな季語です。