赤い世界
赤かぶ定食
第1話
あるところにとても我が儘なお姫様がいました。
お姫様は赤いものが大好きでした。
お姫様が一番好きな場所は
お城の外の森の中にある
小さな赤い湖でした。
その小さな赤い湖は血に染まったように赤く
その湖に血に近づくと
その湖にいる竜に食べられてしまうという
言い伝えがありました。
だからその湖は赤いのだと噂されて
いましたが、お姫様はその湖を
遠くから見るのが好きでした。
そして
お姫様は自分の身の廻りのものを全て赤いものに
して 赤いものに囲まれて暮らしていました。
始めは自分の部屋だけを赤くして
喜んでいましたが
だんだんと満足出来ずに
お城の中を全て赤くしてしまいました。
それでも満足出来なかったお姫様は
王様にお願いして
国中を赤くしてしまいました。
今まで様々な色で塗られていた家も
お店の看板も人々の服も全て
赤くされてしまいました。
村人たちは王様の命令なので
逆らえませんでしたが
次第に不満がたまっていきました。
するとある時、皆が困っているのを見て
1人の老人がお姫様のところに行きました。
家来たちは追い返そうとしましたが
老人はお姫様が喜ぶものをお持ちしましたと
言いました。
偶然その話を聞いていたお姫様は
その老人を自分のところによこすように
言いました。
老人はお姫様にお礼を言ってお姫様に
持ってきた箱を渡しました。
箱の中には赤いレンズで出来た
眼鏡がありました。
お姫様はその眼鏡をかけてみると
全てが赤く見えるのでとても喜んで
老人にお礼がしたいといいましたが
老人は私は何もいりません
町をもとの色に戻していいように
してほしいと言いました。
老人の願いが聞き入れられ町は
もとの色を取り戻しました。
お姫様は町がもとの色を
取り戻しても赤い眼鏡のかけていたので
全てが赤く見え満足していました。
ある時とても月が綺麗な夜
皆が寝静まった頃
お姫様は眼鏡をかけて赤い月を見ていると
月の光を浴びながらピカピカと赤く光る蝶々が
お姫様の前を飛んで行きました。
お姫様はその蝶々がどうしても欲しくなり
その蝶々を追いかけました。
蝶々を追いかけいるうちにお姫様は
お城を抜けだして森の中に入ってしまいました。
蝶々を追いかけいるうちに
夜も明けて朝日が登ってきました。
お姫様いけないわ
お城に戻らないと
思いました。
誰にも見つからないように
帰ろうと思いましたが
一晩中森の中を歩いていたので靴は泥だらけに
なっていました。
すると少し歩いた先に湖があるのに気がつきました。
お姫様はその湖で靴洗おうと湖に近づきました。
するとその湖の中から竜があらわれて
お姫様は頭を砕かれ真っ赤な血に染められながら
湖の中に引きずりこまれてしまいました。
湖の端っこにはお姫様の赤い眼鏡が
残されていて
赤い眼鏡の端っこに
赤い蝶々が止まって休んでいました。
赤い世界 赤かぶ定食 @akakabuteisyoku2000
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