中川兄弟と生徒会会長2

手荒く扱われたわけでもなく、目隠しをされた訳でもない。

 割れ物を触るかのように優しく、寮の入り口まで案内された。

 寮を出ると寮の前には一台の車が付けられていた。車に乗せられた僕は、学園内にこんな所があるのかと思う大きな屋敷に連れてこられた。


 「ようこそ澄君、我が夢見ヶ丘学園高等部生徒会室へ。先ほどは突然の無礼をお許しください。申し遅れました。私は高等部生徒会会長を勤めさせていただいている夢見野玲那と申します以後お見知りおきくださいませ」


 正体は分かったけれど、どうして生徒会の会長さんが僕をこんな所に連れてきたのだろう。連れてこられた理由が分からない。

 どうもこの人は僕を知っているかのような言い方だったけれど、僕はこの人に会った事もない。


 「ここからは彼らは入れませんので、この私が中を案内させていただきます。貴方に会わせたい人がいますので、こちらにどうぞ」


 不安だ。

 手荒なまねをされたわけではないけれど、意味も理解する事が出来ずに。こんな所に連れてこられて、不安にならないほうがおかしい。

 僕に会わせたい人って、生徒会をやっている役員の人なのだろうか、それとも別の人なのだろうか、それも分からない。


 「安心してくださいませ。別に取って食べようとは思いませんので」


 そう言われても、不安なものは不安だ。


 「着きましたわよ。さぁ、中へどうぞ」


 屋敷の一室の部屋。

 扉を開けられると、部屋には机がいくつも並べられていて、今にも倒れそうな書類の山がいくつもあった。

 本当にここは生徒会室なのだろうか。


 「おせーぞ、一体何やってんだよ玲。いつもいつも俺ばかりさせやがって・・・って・・き・・・きよ・・・・」


 僕を見るなり、目を見開き、驚いている様子だったけれど、ぼくも驚いた。

 何処に行ったのだろうと思っていた浩が、こんな所にいて、吃驚した。


 「そうよ、澄君よ。会いたがっていたでしょ?ひろちゃん」


 赤いコンタクトレンズは着けていない。その代わりにめがねを掛けていた。

 寝ていないのだろうか、目の下にクマがあった。


 「なんで、こんな所に澄がいるんだよ。誰が連れてきてくれと頼んだ!きよはな・・・」


 「頼まれていないわ。私が澄君に会いたかったから、来てもらったの」


 「余計な事をするんじゃねーよ!」


 「私に逆らうの?逆らってもいいのかな?ひろちゃんの秘密、澄君に話しちゃうよ?」


 「う・・・・・・」


 浩の秘密ってなんだろう。

 そして、この人は浩とどういう関係なのだろう。

 感じからしても、生徒会会長と、一生徒という関係には見えない。


 「あのー・・・・・」


 「ごめんなさい、澄君。突然こんな所に連れてこられて、わけがわからないわよね」


 「ここは生徒会室だ。といっても、正確にはこいつの家みたいなものだがな」

 「こいつって何よ!失礼しちゃうわ」


 ますます意味が分からない。


 「ふふ・・・そうよね。家って言われても分からないわよね。一から説明させていただくわ、ひろちゃんがね」


 「はぁ?なぜ俺が?」


 「いいからいいから、早く説明するの。お兄さんなんでしょ、貴方は」


 「うぜー・・・・そこに座れ、きよ」


 「う・・・・うん」


 座れと言われたけれど、浩がいる周りには書類で何もかも埋もれていて座れるような場所がなかったけれど、浩が座れるように書類を退けてくれた。


 「優しいね、ひろちゃん」


 「一回しかいわねーからから、よく聞けよ」


 「うん!」


 嬉しかった。

 浩の口から色々と話が聞けるなんて思っていなかったから、本当に嬉しい。


 「俺とあいつは、幼馴染だ」


 玲那さんは僕たちよりも二つ年上で、寮長さんと同じ学年だという。

 初めて浩が玲那さんに会ったのは、七年前。僕達が分かれた後らしい。


 「あの頃のひろちゃん、今と違ってとっても素直で可愛かったわー。どうして、こんなに捻くれ者になっちゃたんだろ」


 「るせー、黙ってろ!気が散る」


 どうやら、説明が苦手そうだ。

 それなのに、説明をしてくれるなんて、こんなに嬉しいことはない。


 「えーと・・・・だから・・・・お前も覚えているんだろ?昔、幼等部にいた頃の事」


 かつて僕は、この学園の幼等部に通っていた事がある。

 体が今以上に弱かったため、半分以上休んでいて、あまりいい思い出がないけれど、毎日母に引きつられて浩と一緒に通った記憶がある。

 てっきり両親が離婚してから引越をして別の学校に通っているのかと思ったけれど、ずっといたみたいだ。


 「私達が初めて会ったの、ひろちゃんが初等部に上がってすぐだったわね。よく、人目につかないところで泣いていたの覚えているわー」


 どうやら、浩は僕と別れてしまったことで、滅多に泣かない浩が、人目を避けて泣いている所を、玲那さんに見られたらしく、それからの付き合いらしい。

 そして、家も近所ならしく、おまけに、この学園の理事長の孫であるみたいで、同じ学園に通うことから、人の弱みを握りながら、ずるずると付きまとわれ続け、今に至るらしい。


 「今はこんな捻くれ者になってしまったけれど、ずっと、澄君の事を思っていたみたいだよ。いつもいつも澄っていって、貴方の写真を眺めている時があるから。今もね」


 「余計な事言うんじゃね!」


 「あっ、照れているわ。かわいーひろちゃん」


 嫌われたんじゃなった。

 浩はずっと僕の事を思ってくれていた。


 「何、泣いてるんだよ。これしきで泣くな。馬鹿が・・・」


 嬉しくて泣いているのに、馬鹿はないんじゃないと言いたかったけれど、嬉しすぎて言葉にならない。


 「だって・・・だって・・・・・」


 涙が止まらない。いくら拭っても拭っても次々と涙があふれ出てくる。


 「泣くんじゃねーよ・・・・泣き虫もかわってねーなーお前は・・・ほら、そんなにこすんじゃねー、赤くなってるだろ」


 「言葉は乱暴だけど、やっぱり優しいわねひろちゃん。やっぱりお兄ちゃんだからかな?」


 じーっと奥に一つだけ置かれている机から僕たちを眺めている、玲那さんはとても嬉しそうだ。

 玲那さんには感謝しても感謝しきれない。きっと玲那さんがいなければ、僕はいつまでも浩の気持ちを知らなかったと思う。


 「こうして二人を見ていると、色々と手を回して頑張って仕込んだかいがあったわ」


 「・・・・・・どうもおかしいと思った。いつもいつも俺を繋ぎとめておくかのようにお前がするはずの書類を俺に押し付けておくようなお前が、いきなり寮に帰って言い出すからな・・・・やっぱりお前の仕業だったのか!」


 「あら、いいじゃない?こうして澄君に会えたんだから・・・ね!」


 謎は解けた。

 学園理事長の孫である玲那さんならば、外部から入学してくる人の事をいち早く情報を入手できるだろう。

 それに加えて、浩の幼馴染で、僕の事を聞いているなら、僕が入学すると分かった時点で僕と浩を再会させる事など簡単に出来るだろう。


 「・・・・・本当に余計なお世話だ!楽しんでやっているだろがー」


 「もちろん楽しんでいるわ。ちょっと予定は狂ってしまったけれど、でも、貴方たちの事を思ってやっていることでもあるわ。澄君の体の事もあるし・・・そう思って貴方たちを一緒にしたの!分かった?」


 体の事を考えると、浩が側にいてくれるほうが誰よりも安心できるかもしれない。


 「お前は、それでいいのか・・・って、何笑ってんだ?」


 今まで見たくても見ることが出来なかった浩の姿。

 玲那さんにどうも頭が上がらないらしく、キャンキャンと犬が吠えているだけにしか見えない。


「ううん、なんでもない。だた、面白いなって思っただけ」


「なんだよそれ!」


「ねぇ澄君、もし良かったら、生徒会に入らない?もちろん、澄君の体に負担が掛かるような事は一切しないわ。ぜーんぶ、ひろちゃんがしてくれるから。ただ、ここにいてくれるだけでいいの。ひろちゃんの為に」


「ひろの・・・・ため?」


 どういうことだろう。

 僕が生徒会に入ったら、どうして、浩の為になるのだろう。


「そうよね。突然こんな事を言われても分からないわよね。ごめんなさい」


「気にすんじゃねーぞ。こいついつもこんな調子だ。ちゃんと説明もしないで、思い立ったら行動。迷惑すんのはいつもこっちだ」


 それを理解して行動しているのだから浩はすごい。僕にはそんな事はできない。絶対にわけも分からずに流されてしまう。今日もそうだから。


「ひっどーい、ひろちゃん。そんな事を思っていたんだ。ひろちゃんのバカ」


「馬鹿とはなんだよ!馬鹿とは!」


「いいですよ。生徒会のことよく分かりませんが、ひろの為なら、僕、なんでもします」


 どういうことであれ浩と一緒にいられるなら、なんでもいい。なんだってする。


「本当にいいの?」


「はい。よろしくお願いします」


「きよ、本当にお前はそれでいいのか?別にこいつの言う事など聞かなくてもいいんだぜ」


「いいの。僕がやりたいと思ったからするの。それにひろがいるから大丈夫」


「決定ね。それじゃあ、これからのことはひろちゃんが丁重に教えてくれるから」


「おい!かってに話を進めるな!いつ俺がいいと言った!」


 言い方から浩は僕を生徒会に入れたくないみたいだ。


 「ひろ、よろしくね!」


 「勝手にしろ」


 拗ねてしまい、ぐるっと椅子を回して背中を向けられた。

 嘘をついたときに思っていたけれど、癖って何年経っても変わらないのかな。

 照れた時や、拗ねた時に相手に背中を見せる。それも変わっていない。

 ぶつぶつ何か言っているけれど、これもそうだ。本当に変わっていない。


 「ひろ・・・・拗ねていないでこっち向いてよ。僕、何したらいいの?」


 「・・・・・何もねーよ、することなんて」


 こっちを向いてくれない。本気で拗ねてしまっている。


 「拗ねているの?こんな可愛いひろちゃん、初めて見たっ!やーん可愛いー」


 拗ねている浩に近づいて、ぷにぷにと頬をつつきだした。


 「見たこと・・・ないのですか?」


 「ええ、こういう姿、全然ひろちゃん見せてくれないわ。やっぱり、心から信頼している人でないと駄目なのかしら・・・・えい、えい」


 本当に珍しいみたいで、楽しそうに浩の頬をつついている。


 「やめろ・・・・・」


 「いや!こんなに楽しいのに、止められないわよ」


 「・・・・好きにしろ・・・」


 こうなるととことん拗ねまくる。

 一度は手を払ったものの、再び同じ事をされれば、もう何されても、これと言って何も言わない。

 こうなってしまえば、何を言っても聞かない。暫くこのままだったりする。

 こうなればこの手を使いたくないけれど、使うしかない。


 「・・・・・・・つ・・・・・・・・・く・・・くるしい・・・・」


 僕は胸を押さえて、その場に倒れこんだ。

 これは演技だけれど、演技をしているようには見せられない。


 「はぁ・・・・はぁ・・・・・ぐ・・・・・・はぁ・・はぁ・・・・」


 「き・・・・きよ!大丈夫か?きよ・・・・・」


 倒れこみ苦しんでいる僕を抱きかかえてくれた。


 「きよ・・・しっかりしろ!くすり・・・くすり・・・・・どこだ!」


 焦っている。

 僕が倒れた事で焦っている。

 そろそろここで演技を止めないと、玲那さんが、電話を取ろうとしているので、大事になってしまう。


 「・・・・・・・・もう、大丈夫だよ」


 体を起して、何もなかったかのように振舞う。


 「おまえ・・・・やりやがったな!」


 「うん!だって、ひろ、こっち向いてくれなかったもん!」


 これが昔、僕が浩に対して使っていた手だったりする。

 体が弱い事を知っている浩は心配のあまりこの手に引っかかるので、浩が拗ねたりして絶対にこっちを向いてくれない時に使っていた。でも、こういう事をしていると母に知られてしまってから封印していた。でも、このたび、浩のおかげで復活した。


 「え?なに?何が起きたの?」


 混乱している様子だ。

 さっきまであれだけ苦しんでいるように見せていたのに、いきなり何もなかったかの振る舞いを見せ、知らない人なら唖然としてしまうと思う。


 「あれは演技だ。昔、こいつが俺に対して使っていた手だ!」


 「え・・・・・演技?でも、あれだけ・・・・・」


 「こいつのこの演技は俺でも見抜けねーよ。っとにしてやられたぜ」


 頭を抑え、あきれていた。


 「ごめん・・・・なさい」


 二人に謝った。

 悪い事をしたのは分かっているけれど、どうしても浩に向いて欲しかった。


 「私は別にいいのよ。ほんの少し驚いただけ。気にしないで」


 「気にしろ玲那!澄!お前も少し考えろ!今は演技だったから良かったが・・・・演技じゃなければどうなっていたのか分かっているのか?もう、あの頃じゃないんだ、いい加減にしろ!」


 怒っている。

 本気で浩は怒っている。

 本気で怒るほど浩は僕の体の事を心配してくれている。


「本当に・・・・ごめんなさい・・・・もう、しません」


「そうしてくれ。あれが本当だったらと思うと・・・俺・・俺・・・」


 痛いぐらい強く肩を握られた。手が震えている、泣いているのかなっとそっと顔を覗いたけれど、堪えていた。


「なんだか、今日は、今まで私が見たこともないひろちゃんばかり見られるわね。おもしろいわ」


 うきうきとしている。よほど浩の事を見ているのが楽しいのだろうけど、僕は楽しくなかった。

 本当はしてはいけないことだと分かっていた事。でも、振り向いて欲しくて仕方がなく、やってしまう。

 演技をしていたこともあるけれど、中には演技じゃない時もあったけれど、疑われた事もあった。それで、入院したこともあったりする。だから、余計しては駄目だと思っても、やってしまう自分がいる。


「澄君?泣いているの?」


 悲しいわけではない。

 でも、泣かずにはいられない。


「ひろ・・・ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・」


 謝る事しか出来ない。

 昔から僕は浩に迷惑を掛けてばかりだ。


「・・・・・分かったから泣かないでくれ・・・・俺も、きつくいい過ぎた・・すまないきよ・・・」


 抱きしめてくれた。

 僕を覆うように優しくギュッと。

 温かい。

 浩の鼓動がドクンドクンと聞こえる。


「体は本当に、大丈夫なんだろうな?」


「・・・うん・・・大丈夫」


 ギュッと、僕も抱きしめた。

 浩といると安心できる。

 やっぱり浩は僕のお兄ちゃんだ。


「さぁ、仕事するか・・・きよ・・・こっちに来い、色々とお前の出来そうな事を教える」


 椅子に座ってパソコンに向かい直した。


 どうやら浩はこれまでの生徒会のデーター整理をしていたみたいで、画面には様々な表がうつされている。


 「ひろって、いつからめがねを掛けているの?」


 母の家系も、父の家系も皆目よくて、誰一人めがねを掛けている人がいないので、身内にめがねを掛けていることに不思議だった。


 「一昨年よ!ケンカをして、相手の拳が、ひろちゃんの左目に当たって、打ち所がわるかったのかな?左目の視力が急に低下して、見えるには見えるらしいけど」


 見えるには見えるらしいが、コンタクトレンズを装着するか、めがねを掛けないと左目はまったく見えないらしいが、普通の視力低下ではないので、あまり矯正が効かないみたいだという。その代わり、右目が非常にいいらしい。


 「あの噂って、本当なの?」


 浩がとんでもない不良で、浩に出会った人は大怪我を負うと言う噂。


 でも、今の浩を見ていると、そんな風には到底見えない。


 「ああ、それは、ただの噂よ。ひろちゃんって、地毛なのは分かるけれど、髪は金髪で目はカラーコンタクトで本当の色を隠しちゃっているでしょ?それに人相が悪いから、変な誤解を招いただけ」


 「では、ひろに会った人が大怪我をしたって・・・」


 「それは、相手がひろちゃんの驚いて、階段から転げ落ちて怪我をしちゃっただけ!ひろちゃんはそれを助けようとしたの」


 誤解もいいところだ。

 皆浩の事を知ろうともしないで噂だけで決め付けている。

 許せない、そんな事。


 「俺はなにもしてねー・・・それよりもきよ、これ、訳してくんね?」


 「どれ?」


 パソコンを除くと、さっき見たときとは違う画面になっていた。


 「これ・・・・・・論文?ずいぶん、難しい事、書いているよ」


 英語で書かれた文。

 数学の事を書かれた論文みたいだけど、ずいぶん難しそうな事が書いている。

 訳すのは簡単だけど、難しすぎて意味が分からない。


 「ああ、分かってる。前から読みたいと思っていたんだが、英語がわけわかんねー。でもよ、お前がいるなら別だ。普通によめんだろ?」


 八年もイギリスに住んでいたので、英語は普通に話すことが出来るし、僕達が生まれた時から母が英語で歌を歌ったりして僕たちに教えてくれていたので、浩はどうか知らないけれど、僕はイギリスに行くことになったときにはある程度話をすることは出来ていた。


 「ひろ、英語読めないんだ。昔、母さんから教えてもらっていたのに」


 「聞くと読むとじゃ、違うだろうが。それに、んな昔のこと、覚えているわけねーだろ」


 「ひろちゃん、数学以外のお勉強はお馬鹿ちゃんだもんね」


 かつては僕と英語を話していた覚えがわずかにあるけれど、僕達が離れ離れになってから浩は英語を使っていないらしい。英語と言った語学はある程度年を行くまで話していないと身につかないというので、もったいない。


 「数学以外って・・・・これ、分かるの?」


 「訳してくれればな。数字だけでも大体書かれていることが分かるが、よまねーとわかんねー事もあるからさ」


 「分かった。口で言ったほうがいい?それとも紙に書いたほうがいい?」


 「ゆっくり読みたいから、書いてくれ」


 「時間掛かるけど、大丈夫?」


 一冊のノートに書いて欲しいペンと一緒に渡されたので、早速、取り掛かろうと思ったが、浩がいる机の周りは書類で埋もれていて、できない。


 「ちょっと待ってろ、今印刷するから、何処か広いいところでしろ」


 「それなら、ここですれば?私の机ならしやすいと思うわ」


 ポンポンと机の上に叩き、おいでおいでと僕を呼ぶ。


 「玲那がいいって言ってんだから、そこでやっていろ」


 印刷された論文を持って、玲那さんが座っていた机に行って、早速取り掛かった。


 「ひろ、文をそのまま直訳するほうがいい?」


 「それはお前に任せる」


 論文なら直訳のほうがいいのだろうと思いながら、ノートに論文を書き写した。

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