第30話 歴史的な話七

 今回は歴史的な話をしますわな。


 ついこないだに、お伊勢参りをしてきたからな。


 いわゆる伊勢神宮にまつわる話をしますわ。


 まず、伊勢神宮にお仕えしたんがかの有名な斎宮様やな。


 以前にも書いたかもしれんけど。


 斎宮様は皇室出身の姫君がなってはった。


 天皇さんの兄弟や親戚筋の姫君が選ばれてたんや。


 公儀には、内親王様や女王さんと言う方々が伊勢に派遣されてたとか。


 内親王様は天皇さんの娘さんや姉妹、お孫さんくらいまでがそう呼ばれてたんや。


 女王さんは天皇さんのお孫さんや五世までくらいの子孫の方々の称号やな。


 こういった方が天皇さんの御代替わり毎に選ばれ、派遣されてたっちゅうわけや。


 ちなみに、伊勢に行く際に斎宮様は後ろを振り返ったらあかんとか。


 そう言う習わしやったようや。


 斎宮様は一度、選ばれたら余程の事がない限りは都に帰る事は許されんかった。


 厳格な生活を送ってはったとも言う。


 昔は斎宮様に選ばれるんはおめでたくない事やったとかでな。


 皆さん、選ばれたくないと思うてはったみたいや。


 巫女さんになったら、恋愛や結婚は以ての外やし。


 こう考えてみると、斎宮様のお役目も大変やわ。


 それではこれくらいにしますわ。


 おおきに。

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