第51話

 剣神祭最終日。


 祭りのメインイベントである。

 トーナメント優勝者と剣神ドーザーとの戦い。


 この日の賭けの胴元は、有力な商家が持ち回りで行うのが慣例になっている。


 その比率は一対百。

 勿論剣神が一倍、つまり元返し、そんなもの賭けにならないと思われるが、ある一定数はもしかしたらと夢を抱く者があらわれる。


 そういった者は当然、剣神の相手候補に賭ける。


 そして剣神が勝てば、剣神に掛けてたものには元返しするだけ、そして相手に掛けていた者からはしっかり回収する。


 つまり剣神の勝ちが決まっている以上、胴元にとっては旨味しかないというわけだ。


 ちなみに俺は自分に賭けておいた。


 トーナメント出場者は八百長防止の為、相手の者に掛ける事を禁止されている。逆をいえば自分にベッドするのは許されているのだ。


 まあ、このトーナメントに出るような実力者はたいてい金などには困っていないのでほぼ八百長試合は行われないのだが。


 今回は俺が無名だったこともありかなり稼がせてもらった。

 ネロとの冒険資金は潤沢といって良いほどに。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る