常楽我浄(じょうらくがじょう)
きんお
第1話
【はじめに】
骨の上に肉をまとっている私達は
瞬間瞬間に変化している今を見ることなく
主観と感情が正しい判断であると信じて、疑うこともできない
【今日の思いっきり勘違い】
常・楽・我・浄という四つの勘違いを私達はしています
一つ目の常の勘違いとは
本来は無常と理解するべきなのに、常にいる、常にあると思っていることです。
私はいる、相手はいる、物はある、と思っていますが
本当は流れる川の水が刻々と変化するように
人も物も細胞レベル原子レベルで観察すると瞬間瞬間に変化していて、とどまることも巻き戻ることも全く同じことが再現されることもありません。
二つ目の楽の勘違いとは
本来は何事も苦に至ると理解するべきなのに、楽がある、と思っていることです。
座っていても、立っていても、歩いていても、横たわっていても、息を吸っても、息を吐いても、息を止めても、何を食べても、何を飲んでも、どんな遊びをしていても、それを続けて行けば必ず「苦」に至るのです。
つまりドンドン楽に向かって行く行為など、残念ながらこの世に存在しないのです。
三つ目の我の勘違いとは
本来は条件によって表れている現象であり、条件が異なれば現象も変わる、つまり永遠不滅の本体は無いという無我であると理解するべきなのに、永遠不滅の本体がどこかにあると思っていることです。
そこで魂やら天国やらを妄想して、どこかに変わらない私がいると思い込んでいるのですが、それらにはなんの証拠もないのです。ただ信じているだけ。
全てのものは変化している、条件によって一時的に現れた現象であり、つまり永遠不滅の本体など成り立たないのですが、私達は変わらぬ私がいると信じて疑わないのです。
四つ目の浄の勘違いとは
本来は肉体は不浄であると理解するべきなのに、肉体は綺麗だ、美しい、可愛い、尊い、憧れる、執着に値する、と思っていることです。
科学的に観察してみましょう。生きている私達の今、皮膚の下には臓器がみっちりと詰まっています。そしてその臓器一つひとつを見てみると可愛いという気持ちにはならないのです。
臓器は色々な働きをしつつ、様々な物質を作ります。そして最終的には目からは目糞、耳からは耳糞、鼻からは鼻糞、口からはよだれや痰や嘔吐物、そして大小便として体外へと排出されます。つまり皮一枚の美しさ、本当の姿は糞の製造工場ということなのです。しかもこの皮がシワクチャになり、色素沈着を起こして、イボを生じて更に悩まされるのです。
死んでからも、早急にドライアイスか冷蔵庫で冷やさなければ、腐敗し、虫などに食われて大変な状況になるのです。
こうした常楽我浄の勘違いによって
どれだけの
憎しみが
怒りが
嫉妬が
悲しみが
世の中にあふれているのだろう。
無常・苦・無我・不浄なんだ。
執着には値しないんだ。
真理を学ぶために使うんだ。
生きとし生けるものに対して慈しみを育もう。
みんな苦しんでいる。
無常も無我も分からずに、ただただ八つ当たりをしているんだ。
骨に肉をまとうこの身ははかないよ。
しかもお互いに完全完璧じゃないんだ。
だから優しくありたいね。
そしてこれからもこうして仏教の教えに耳を傾けて欲しいんだ。
常楽我浄(じょうらくがじょう) きんお @gokai1002
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。常楽我浄(じょうらくがじょう)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
期待をするな!/きんお
★6 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
「生きる」が分かったから/古 散太
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 146話
ぷにぷにもちもちラッブラブ!/三屋城衣智子
★4 エッセイ・ノンフィクション 完結済 9話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます