英w雄w降w臨w
フルスピリットギャングはその日ミシシッピ州から姿を消した。
構成員と見られる人物は全て消し去り、更にはそのアジトから見つかった書類云々も面倒だったのでレノックス財団に全部丸投げしておいた。
この街の一大派閥がギャングとひとつの関わりも持っていないなどありえないだろうし、これ以上敵を作る必要も無いだろう。
そして始末した死体は全て始末した。流石に、市民の皆々様に多大なるご迷惑と不安を与えてしまうのは俺の本意では無い。
なんか最近滅茶苦茶強くなってそうなスーちゃんとナーちゃんに死体の処理をお願いし、何万人もの人々がスーちゃんによって食べられてしまったのだ。
まぁ、全員クズだからどうでもいいけどね。中には仕方がなくギャングに所属して居たものも居ただろうが、俺達にナイフを抜いたのであれば殺すしかない。
一応こう見えてもマフィアなのでね。やるべきところはしっかりやらないと、部下に示しがつかないのである。
マフィアってめんどくせぇ........そんなにメンツが大事なのか?ジルハードに荒くれ者としての常識はある程度教わったが、とにかく“舐められるな。殺るからには徹底的にやれ”という事だけは口うるさく言われたな。
やっぱり俺にマフィアは向いていない。ただの一般高校生が、元ギャングのボスとか戦争の火種になりかねない
そして、法が裁かない悪を裁くダークヒーローも。
「なんで新聞に俺たちの情報が乗ってんだよ........」
「ミシシッピ州の汚職!!それを暴いた闇のヒーロー“
「お、これ私じゃないか?ミルラ、これ私だよなー?」
「確かにこの小さくて可愛い後ろ姿はアリカですね。遂にアリカも新聞デビューですか。全世界にアリカの可愛さが知れ渡ってしまいますよ」
「いや、昔天才少女として何度か新聞に載ったぞ........それが妬みの対象ともなったがな」
「あ、いえ、そういう意味で言った訳では........」
「あはは!!大丈夫大丈夫。ミルラが優しいのは知っているからな。なにか含みがあって言っている訳では無いのは分かっているさ」
「はぁー、可愛い。ボス、アリカを私の養子として迎えてはダメですか?」
「ダメに決まってんだろ。そんなことをした日には、組織の中で分裂が起こるわ」
フルスピリットギャングを一掃し、警察の目を掻い潜ってミシシッピ州を脱した俺達。
その途中で売られていた今朝の朝刊を見て、俺は頭を抱えるしか無かった。
確かに派手にやらかしはしたが、新聞沙汰になるとはね。レノックス財閥辺りがリークでもしたのかと思ったのだが、その原因がローズにあるとなればさらに頭が痛い。
マスコミに俺達が正義だと言えと脅した?しかもギャングとの構想の最中で?
もう何が何だか滅茶苦茶だ。清く正しく生きようとすれば悪として扱われ、悪として暴れれば正義としては扱われるとかこの世界の倫理観狂ってんじゃねぇの?
「ふふん。上手くいったわねん。ボス、これで少しは役に立てたかしらん?」
「あー........うん。そうだな。よくやってくれたよローズ。ほんとうに頼りになるオカマだ。その壊滅的な見た目さえ何とかなれば、もっと完璧だよ」
「それだけはボスの命令でもお断りするわん。これが私の生き様なのよん」
で、この本人はこうして少しドヤ顔をしていると来た。
何?お前達はボスを困らせる趣味でもあるのか?毎度毎度面倒事ばかりを持ってきやがって。
俺を苦してめて楽しいのか?こうして頭を抱える姿を見て楽しんでいる訳じゃないだろうな?
ボスなのにボスの威厳がまるでない。うちの組織らしいといえばらしいが、ここまで滅茶苦茶されるとさすがに困るよ。
しかし、俺はローズに文句を言わなかった。
ローズはエルフのダンジョンであまり活躍できず、更にはこのUSA(アメリカ)旅行でもあまり役に立てていないと感じて悩んでいたのを知っている。
きっと自分なりに考えて、俺の為になると思っての行動なのだ。
なんやかんや可愛い部下の暴走ぐらいは、笑って受け止めてやるべきなのだろう。
CIAに居場所がバレた?政府から追われている?
大丈夫、いつもの事だ。向こうが殺意マシマシじゃないだけ、まだなんとでもなる。まず間違いなく怒られはするだろうし、今捕まればありとあらゆる罪を被せられて豚箱行きだろうが。
「しかし、これで私達の居場所が割れました。ここから先はかなり動きにくくなりますね」
「ミシシッピ州で騒ぎを起こした時点でそれは覚悟していたし、特に気にすることもないさ。なぜか熱烈な応援まで貰っているしな」
俺はそう言いながら、携帯でSNSを開く。
このミシシッピ州を騒がせた騒動はあっという間に広がり、どうやら世論は俺達を味方しているらしい。
特にミシシッピ州在住のアメリカ人は俺達への感謝が大きく、それほどまでにフルスピリットギャングがこの街の実権を握っていたのだと分からされる。
更には州知事との繋がりも明らかになってしまったので、明日か辺りにデモが起こることになるだろう。
何かあったら直ぐにデモ。これぞ、USAのお家芸である。
「中には俺達が犯罪者だと言う人も居るが、殆どが正義として扱って入れているみたいだな。これだけの殺人と騒ぎを起こしておきながら、民衆によって守られるとは思ってなかったよ」
「
「元はミシシッピ大学だったんだっけ?何百年の歴史に幕を下ろす時が来たわけだ。まぁ当然の報いだな。うちのアリカへのイジメを見て見ぬふりをした罪は重い」
次はアリカの元職場と実家か。親の対処をどうするのか迷うな。
クズでどうしようもない人間だとしても、子にとって親とは大きな存在である。親殺しと言うのは、中々出来ないものだが........果たしてアリカはどんな選択を取るのだろうか。
「テキサス行って先にロスか?距離的には多分ロスの方が近いぞ?」
「え、ちょっと待ってください。本当にロスにも行くんですか?お願いですから辞めてください。親に合わせる顔がないんです」
「親も女ドラ娘なんざ見たか無いだろうが、それでも親子なんだ。顔ぐらい出して殴られてこい。後、単純に俺がロサンゼルスで遊びたい。カジノとかあまり行かないしなぁ........」
「やばい、またボスに金を巻き上げられる。頼むから、ポーカーをする時は俺を巻き込むなよ。ボスにはどうやっても勝てないからな」
「ルーレットをやってみたいな。やったことないし。ちょっと今のうちに色々と調べてみるか。アリカも入れるのか?」
「一応大丈夫なはずよん。保護者付きならねん」
「おー、それは楽しみだ。賭け事は全くやらないし確率的に負け越すことの方が高いからやるつもりも無いが、一人ぼっちは寂しいからな!!」
「もし入れなかったら私が遊んであげるよ。私もゴール武器欲しいし」
「あ、私も欲しいので参加しますよ」
こうして、俺達のUSA観光ツアーは次なる目的地、テキサスへと向かうのであった。
流石に次はこんなことにはならんやろ。企業を潰して親に会いに行くだけだしな。
........うん。きっと大丈夫なはず。そう思いたいね。
【ミシシッピ大学】
オールミス(Ole Miss))は、アメリカ合衆国ミシシッピ州オックスフォードに本部を置く州立大学である。1848年に設置された。
全米に流しられているほどのエリート大学であり、南部では最も早期に女学生の受け入れを始めた大学でもある。
1.名無しの神
【英雄降臨】グレイくん、アメリカの世論を味方につけ始める。
2.名無しの神
英w雄w降w臨w
3.名無しの神
大丈夫?その英雄、世界に破滅をもたらそうとしてない?
4.名無しの神
悪いことをしたら英雄になって、普通にしてたら極悪人になる男。
5.名無しの神
普通にしてたら普通なのよ。
6.名無しの神
それにしてもアリカちゃんが可哀想過ぎた。そりゃみんな優しくなるよ。身内には優しい人達ばかりだし、ミルラとかキャラ崩壊し始めてるし。
7.名無しの神
いじめと言うか、普通に殺人未遂なんだよなぁ。やっぱり自由の国の虐めは格がチゲぇや。神ですら軽く引くもん。
8.名無しの神
本当に終わってるよな。俺達も拷問に参加したいぐらいには、胸糞が悪かった。と言うか、どいつもこいつもギャングと繋がりすぎや。どないなってんねんこの国は。
9.名無しの有能神
USAは確かに経済大国だけど、それと同時にかなりの犯罪国家だよ。ダンジョンが出現してからは富裕層と貧困層との格差がさらに拡がって、貧困層が増えたおかげで治安が悪化。人からものを奪うしか生き残れない人達が続出した結果、ギャングが増えて中間層が苦労しているね。
10.名無しの神
有能神、解説ありがとう。やはり資本主義も悪じゃったか........
11.名無しの神
資本主義というか、行き過ぎた資本主義がダメなんだよね。程よく政府がコントロールしなければならないんだけど、その政府までが資本に飲まれて数で物事を考えるから悪いんだと思うよ。
12.名無しの神
典型的な“国が悪い”。
13.名無しの神
で、そんな国に呼ばれたのにも関わらず、いつもの癖で人の頭を弾いて観光ツアーを始めるグレイくん中々にイカれててすき。
14.名無しの神
CIAに追われてるもんな。いつもの事過ぎてグレイ君本人も慣れてるのジワるw
15.名無しの神
でも英雄扱いされるのは慣れてなさそうで可愛い。グレイ君、実は結構可愛いのでは?
16.名無しの神
真のヒロインはグレイ君じゃったか........確かに各国から熱烈なラブコールを貰ってるもんね。
17.名無しの有能神
ラブコール(お前を殺す)
18.名無しの神
草
19.名無しの神
草
20.名無しの神
草。何も間違ってないけどさ。
21.名無しの神
しかし、USAも狡いことを考えるよな。グレイ君たちに代理戦争をさせて自分たちの利権を確保しようだなんて。で、それを奇想天外な方法で止めに来るグレイ君もおもろい。
22.名無しの神
本人は何も考えてないんだよなぁ。人を殺してる時に“ちょっとマフィアっぽいなー”とか呑気に考えている子なんだから。
23.名無しの神
やっぱりグレイ君は神から見てもイカれてるよ。運命に愛されすぎてる。
24.名無しの神
何気にちゃんとボスとしての仕事はしてるんだよね。自分が役に立っているのか悩んでいたローズに声をかけてあげてるし、グレイ君が居なかったらこの組織は回ってないよ。
25.名無しの神
人の心理を覗き見る洞察力とそれに対する回答を的確に持ってくるのは強い。でも、それ以上に部下が暴走する。グレイ君、ついて無さすぎる。
26.名無しの神
何気にやる事はちゃんとやってるから、益々不憫なんだよな。でもそこがいい。可哀想は可愛いだよ。
27.名無しの有能神
つまり、この世界のヒロインはグレイくんだった?!
28.名無しの神
その内地球君と結婚しそう。滅茶苦茶愛されてるでしょ、この世界に。
29.名無しの神
グレイ君はハーレム系主人公だったのか........でも何故だろう。全く羨ましくない。
30.名無しの神
そりゃ相手が殺意剥き出しのヤンデレばっかりだもん。しかも、ほぼ全員ブスだし。
31.名無しの神
そもそも国に顔なんて無いっての。いや、擬人化させればわんちゃん行けるか?
32.名無しの神
どちらにしろケツに銃をぶち込まれるんだよなぁ........
後書き。
この章はこれでおしまいです。いつも沢山コメントありがとうございます。全部読んでるよ。
グレイ君。直接政府を潰すのではなく民意を味方につけて政府を潰しにかかる。やってる事思想犯なんですけど。
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