第19話 従者は、主をイジりたい衝動に駆られている
「早く帰って、ユミナ様をいじめた......いえ、なんでもありません」
「っておい!?」
肩に手を置き、笑顔でアリエスを見つめる。
「ねぇ〜 アリエスさん、何を口走ったのかな」
「ユミナ様の恍惚な表情を見たいんです♡」
清々しい顔を私に見せるアリエス。
「いやですね。ユミナ様にアタシ達は毎日、いじめられています。ならば、ここで一つ下剋上をして、ユミナ様を悦ばそうと思いました。あわよくば、激しい吐息を吐き、嬉し泣きを出しながら『もっとやってください!!!』って懇願する表情もみたいなです!」
己の欲望を恥ずかしがる素振りも見せず、堂々とヤバい計画を話し始める従者に呆れしかなかった。
「フェーネ、貴女の魔法、教えてくださいませ!!」
「私は構わないよ♡」
フェーネは私を見る。
「フェーネ」
体をビクビクさせ、怯えと悦びがミックスしたような変な存在となっているフェーネ。
やばい......フェーネが恍惚となると、私のも影響が。体が熱い、震えば止まらない。顔の火照りが鎮まらない。
あっ! またスキルレベルが上がった!?
だめだ、みんなに効いた冷酷な眼差しもフェーネにはご褒美か。じゃあ、何がフェーネに効くんだ?? この研究所で答えが出れば、スラカイトまでの道中で実践すればいい。
「フェーネ、解除してよ」
腕を見せ、私は解除の提案をする。が、悩み出すフェーネ。
「言ったでしょう。『スラカイト』に行かないと外れないの、ごめんね」
「そんなー............」
「でも、悪い話じゃなかったでしょう?」
う〜んっと唸る。
「それはまぁ......私の力になったのは素直にありがとうっと感謝はするけど」
多くの罠を掻い潜ると即座に、研究所の二階には動物を模した小型のロボットが出現していた。『
『
生物改造ロボットとの戦闘で判明したが、フェーネは自らの性癖を熟知しており、突っ込む傾向がある。
更なる痛みを求める変態とは、まさにフェーネっと言ったところか。自ら敵に突っ込む攻撃をすることなく攻撃されにいくので当然、ダメージを負う。裏切り防止のための『
そんな私の苦しみは生物改造ロボット達には関係ない。私を倒そうと躍起になり、攻撃を仕掛けに来た。フェーネの痛みと『
結果、外も内もダメージが計り知れなかった。でも、悪いことばかりではなかった。
新スキルも獲得できた。ま、おかしいモノだけど......あとは生物改造ロボットとの経験値が美味しい点は良かった。あわよくばドロップ品も欲しかったが落ちなかったのは残念でしかない。
二度と経験したくない体験。
結局、地下へ行くエレベーターを壊し、エレベーターシャフトを下る提案が最有力候補に上り、実施した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます