第6話 視界に色鮮やかな風景が映る
はっきり言いましょう。私は失敗した。オニキス・オンラインで自白します......
そだよね......VRMMORPGはソロでも遊べるけど、不特定多数のプレイヤーと手を組んでプレイできるんだ。元々、人と積極的に会話してリアルでも新しい姉と仲良くするために始めたのに。
協力プレイの存在を私の十何年生きている脳みそさんは本来の目的を忘れていた。脳の電気信号の指示のもと無意識でソロプレイをやっていた。
私は後ろの光景に目を背ける。
夜に照らされ、燃え盛る森林を背景にして目的地を進む私。
出来事は数分前に遡る。
『
アクイローネと一緒にモンスターを倒して手に入れたアイテムたち。必要な素材以外は全て売った。
私のストレージに残っているのはHPとMPの回復アイテムのみ。なので、ストレージに余裕がある。今度の投資を名目と何かの役に立つだろうと思い【採取】のスキルを発動して、森に落ちているアイテムを拾っていた。
【採取】を発動しているプレイヤーの目はかすかに光を帯びる。遠くにある採取可能なアイテムや草むらで隠れている素材も見つけ出すのがなんとなく把握ができる。スキルレベルが上がればフィールドを透過して地底にあるアイテムを発見できるよう。
あくまで発見できるだけ。アイテム採取は自力となるのがめんどくさい。最終的には自動的にアイテムが回収されるシステムを構築しないと......
しゃがんで地面に落ちていた鳥系モンスターの羽を拾っていた私の背後から一角のウサギが三体、草むらから飛び出してきた。咄嗟の出来事で軽いパニックを起こした私は無我夢中でスキルや魔法を発動していた。で、結果は……森林破壊も甚だしい燃えさかる森が出来上がっていた。
周りにプレイヤーがいなかったのが唯一の救い。オニキス・オンラインはプレイヤーがプレイヤーを殺すと頭上に浮いている自分の名前が赤くなる。輝きが追加されるらしい……
レッドプレイヤーとして一定期間過ごす羽目になる。外で数日過ごす分は問題ないらしいが街にいるもんなら、賞金稼ぎや街の警備番に追いかけてくる。しかもアイテムを売買しているNPCから露骨すぎるかって、塩対応される。ただ、一部レッドプレイヤーになると受けれるクエストがあるらしい。アングラ系のクエストの最後は碌な結末にはならないとアクイローネが教えてくれた。
私は目の前でポリゴンが爆ぜたウサギさんたちが落としたドロップ品を回収してそそくさ歩いた。
・カカナ草
・リヴァ麦
・ポリキノコ×8
・安楽草×13
・ただの石ころ
・レキ石
・光石×5
・林石
・木木×30
・アシタカ木×10
・カルシア木×15
・サモザカ木×19
・タノンア木×11
・マックス小枝
・ハチミツ
・捕食植物の種子
・マヒダケ
・カンジョウダケ
・ヒバリの羽×10
・イカルの羽×15
・マッポウの羽×10
・一角ウサギの角×3《状態が悪い》
・一角ウサギの皮×3《状態が悪い》
「えーっと……【ランタンの
魔法使いの杖の先端が光だす。別に音声でスキルを発しなくても心の中で思い浮べれば発動できる。私は魔法使いの職業である以上、呪文は言葉に出さないと発動できない。大声を出す必要がないのはせめての救いかな……決しては言いたくない自分が現在勝っているのは内緒です......
【ランタンの
実は、【ランタンの
「呪文が使えるか心配だったけど、ちゃんと使用できるからありがたい」
燃えるゴブリン、水で体を濡らしてからの氷漬けにしたゴブリンが私の周りにたくさんいた。
「ポイズンも悪くないけど……窓もない洞窟ではあまり使わないと心に誓わないと」
換気できない
氷漬けが甘かったのか一体抜け出し、手製の斧なのかわからないが作りが荒い武器を振り下ろしていた。
【強勢】の効果時間はまだある!!
体を後ろへ下げる。振り下ろした斧が地面に刺さる。斧を抜くのに夢中の半分氷のゴブリンは私を見ていない。
体勢を整え、ゴブリンにかかと落としを食らわす。脳天一撃で半分氷のゴブリンはポリゴンになる。そして、周りの状態異常のゴブリンたちも同時に消えた。
「レベルも上がったし、HPとMPも回復!!」
アイテムもしっかり拾っていく。
・小鬼の手製斧×5
・小鬼の腹巻き×5
・小鬼の毒瓶×5
・小鬼の皮膚×20
・ボロいピッケル
・群集の笛
なんか……多くのアイテムがゲットできた。けど、なんだろうなぁ〜 何個か怪しいアイテム類があったけど目を背け、奥に進む。
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