解説 善と悪
今回はメソポタミアの神々の善と悪について解説します。
結論から申し上げますとメソポタミアの神話において善と悪という概念はありません。
じゃあなぜ解説するのかと言うと、現代で流行している一神教において善と悪はかならず分かれている善悪二元論が幅を利かせているため、相違点として注目するべきだと判断できるからです。
メソポタミアから時代が下り、新アッシリアの時代になると正義の神というのも現れますが、メソポタミアの時点では法律を守ったり、弱者を助ける神はいても、それは善行をなす神であって善悪そのものを象徴しているわけではなかったのです。
もちろんいわゆる悪霊のようなものは存在していましたが、本来善悪には中立の立場であり、状況によって悪とされるというパターンが多かったようです。
いわゆる善悪を組み込んだ宗教の誕生はゾロアスター教まで待たなくてはなりません。
昨今のとにかく善と悪をくっきり分けたがる風潮に疲れたら、メソポタミアの神話に思いをはせてみるのも良いかもしれません。
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